その119 ページ7
その日は一日中、伝えるタイミングは沢山あったんだけど、どうしても勇気が無かったようで、結局言えないまま放課後になってしまった
私とアーヤは塾なので、今日は菜穂と帰ることも出来ないし、話す時間も無かった
そう思ったんだけど、アーヤは時間ギリギリまで頑張ると言って、菜穂の後を付けていったんだ
一緒に帰るのはちょっと無理みたい...w
私もついて行こうとしたんだけど、アーヤから一人で行きたいと言われました...
何だろう、子供の成長を見守るお母さんの気持ち
私は小さいときに親元を離れてたから、あんな会話をお母さんやお父さんとしたことが無かった
そらるさんや天月くんとはあったかもしれないけど、さっきアーヤと話したのと同じで、友達同士の会話に過ぎなかったのかも知れないな...
そう考えると、すこし虚しいような孤独感に襲われた
私は、小さいときから沢山の人たちに刺激を受けて、成長して、会ったことは無いけど、好きと言ってくれる人が居て...愛されてる
そんな中で自由に楽しく活動してる。それは幸せ
でも、そうやって広い世界を見ていると、身近にある大切な物に気がつけなくなってしまうんだな...
私は皆とは少しズレた人生を送ってるのかも知れない
家に帰ったら親が居て、その人たちと話したり、見ていたりすることで、多くのことを学んでいくけれど、私は親を見て学んだことが無い
愛情を受けたことが無いんだ
それなのに、その愛情の暖かさを知ってるのはどうして?
心の何処か奥深くから湧き出てくる暖かさ
それを思い出して心が締め付けられる
頭の中で、何かがフラッシュバックする
少女が女の人と楽しそうに話してる...
これは...誰?
知っている。でも、思い出せない
「__」
『...!』
女の人が名前を呼んだ
察した。あの少女は.....
『...っ!』
その時、また頭に激痛が走った
今度は今までよりも何倍も痛い
思わずしゃがみ混んでしまった
痛みは治ったはずなのに、立ち上がれない
力が入らない
天「...茉莉?」
そんなとき、聞き覚えのある声がした
『あ...あま...つ....き..く........』
天「茉莉!しっかりして!」
視界が歪んで、温かい感覚に包まれる
天月くんの優しい匂いと、必死に叫ぶ声が、かすかに聞こえる
その声を聞きながら、私の意識は途絶えていった
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願叶 - わたがしさん» ありがとうございます! (2020年2月5日 16時) (レス) id: 90bde2c216 (このIDを非表示/違反報告)
わたがし - 完結おめでとうございます! とても面白かったです (2020年1月11日 13時) (レス) id: 317994e2b6 (このIDを非表示/違反報告)
願叶 - わたがしさん» ありがとうございます! 今ログインしているパソコンが壊れているので、スマホからの返信です(コソッ) (2019年12月15日 0時) (レス) id: c974847c94 (このIDを非表示/違反報告)
わたがし - とても面白いです! 更新頑張ってください! (2019年12月14日 22時) (レス) id: 317994e2b6 (このIDを非表示/違反報告)
願叶(プロフ) - もっささん» ありがとうございます!もうすぐ完結しそうなので、頑張っております... 楽しみにしててください! (2019年11月26日 23時) (レス) id: a59083d6d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:願叶 | 作成日時:2019年9月23日 17時