〈歌い手〉〈KZ〉月の光に照らされてＴｈｉｒｄ〈トリップ〉

その101 ページ35

うーん...

勉強会は誰かの家でワイワイ楽しくするものだし、公共の施設には行けないなぁ...

...何処か、周りに迷惑にならないように出来る場所...


『あ！』


ひとつあった！


菜「お、どっかあった？」


菜穂が聞いてくる

私は少し迷ったけれど此所しか無いと思って言った


『秀明の自習室はどう？』


ここは塾の生徒がよく勉強してるんだけど、2階の自習室は女子のたまり場になっていることが度々ある

先生たちも知ってるんだけど、以前からそうみたいで、全く気にしてないんだ

だからここなら二人とも勉強会開きやすいよね


ア「でも、菜穂は塾の生徒じゃ無いし...」

菜「そうだよ。それに二人は授業大丈夫なわけ？」


そっか。菜穂は生徒じゃ無かった...

うーん...

私は少し考えたけど、塾の生徒じゃ無くても普通に入ってるのを見たことがあった気がして、『大丈夫。入れるよ』と言った

何処かで見たんだよなぁ...生徒以外で入ってる子

...まぁ、忘れちゃったしいっか


菜「そうなんだ。案外緩いね、塾って」

『秀明はその辺、緩いんだ』


もし不審者とかが来たらどうするんだって話だけど...


菜「で、話に戻るけど。授業はどうするの？」

『私は水曜日だけだから大丈夫だけど...』


アーヤはどうなんだろ...

私と違って普通のクラスの授業もあるし

そう思ったけど、アーヤは少し笑って


ア「大丈夫。今日は無いよ」


そう言った

よし！じゃあこれで決まりだね


菜「今日はどうせ午前で授業終わりだし、13時くらいに塾の前に集合で、どう？」

『ん。いいよ』

ア「私も」


そう言ったとき、ドアが開いて先生が入ってきた


先「はい、席ついて〜」


『じゃ、後でね』


そう言って前を向いた

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