〈歌い手〉〈KZ〉月の光に照らされてＴｈｉｒｄ〈トリップ〉

その90 ページ20

時は経ち2日後

まふくんの部屋に行く日だ

曲....一体どんな曲なんだろ....

まふくんのことだから、独特な世界観があって、歌詞も難しそう...

難しかったら説明して貰わないと分かんないな

そう思っていると、まふくんの部屋に着いた


ピンポーン


チャイムを押すと、まふくんがひょこっと顔を出す

まふくんって、無意識に可愛い行動してない...？

昔からこんな感じだけど、今は特に羨ましいお年頃

女子力高過ぎなまふくんから女子力を貰いたいのです


って、話が逸れちゃった...


ま「待ってたよ。どうぞ入って」


まふくんはそう言って、私を作業部屋に連れて行く

この間と変わらない部屋、唯一違うのは机の上に紙が散らばっていることだった

仕事用かな？

なんて思いながら椅子に座る


ま「えっと、じゃあ早速本題なんだけど、曲を聴く前にこれ見て」


そう言って渡されたのは、歌詞と曲の説明(？)だった

なるほど、まず最初に曲の意味を知って、それから聞くって事ね


ま「曲の説明をしながら歌詞のことも話すね。まずは...」


そう言ってまふくんは話し始めた

ちょっと難しい言葉もあったけど、まふくんはそれを分かりやすく説明してくれた

...なんか、学校よりも勉強になるし分かりやすいかも

もう私学校に行かないでまふくんに教えて貰いたい...

...冗談だよ？


15分くらいその説明を聞いて、それから曲を聴くことに


ま「歌詞のところも打ち込んでるから、よく聞いてね」

『うん』


カチッとマウスをクリックして、曲が流れ出す


『わぁ....』


綺麗な高音が耳に流れ込む

その中にギターやドラムなんかが入ってきて....

初めて聞いたはずなのに、何処かで聞いたことのある懐かしい音楽

...そんな感じ

今回は語彙力とか関係なくって、なんて言うか...えもいわれぬ感じ


ま「どうだった...？」

『...良かった...凄く...』


これが...私の曲なんだ

そう思うと、ワクワクしたような、泣きたくなりそうなモヤモヤした気持ちになった

でも、嫌って事じゃ無くて、嬉しすぎるんだ

嬉しすぎて...もう...


『っ...うぅ〜...』

ま「え！？ちょっそんなに？」

『うんっ...エモい...』

ま「あ、ありがとう」


感動で泣いちゃった...

こうやってまふくんの前で泣くことがなんか最近多いな


ま「でも、僕の曲がこんなに喜ばれるなんて嬉しいな」

ま「活動を続けて良かったよ」


そう言って笑いかけてくるまふくん

可愛いぃ...

優しい笑顔...

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