〈歌い手〉〈KZ〉月の光に照らされて〈トリップ〉

その15 ページ19

『じゃ、また明日』

ア「うん。ありがと」

靴箱の近くでアーヤと別れて、靴を履く

菜「おーい！篠田ちゃん！」

昇降口から出ると、菜穂が他の女子たちと一緒に私を呼んでいた

『どうしたの？』

菜「一応紹介しておこうと思って。私の小学校の時から一緒だった奴ら」

あぁ、朝話してた子たちだ

中には佐田真理子(さだ まりこ)もいた


って、この子たちを紹介するって事は私、完璧にグループに入ることになる...

いや、私KZメンバーと仲良くなりたいのだが！？

で、でも私はみんなと仲良くなりたい主義だ！うん！仲良くしよう

『篠田茉莉です。よろしくね』

Ａ「うん。こちらこそ」

Ｂ「よろしく。ね、メイクとかしてる？」

Ｃ「そうそう！どうやったらそんなに肌白くなれるの！」

『えっ...えぇっと、メイクはあんまりしないかな。肌は...』

ここで悩んだ。だって、特に何もって言うと感じ悪いって言うか...ね

なんと言えば...

ってかなんでそんなこと私に聞いてくるんですか！？



悩んでいると、周りが騒がしくなった

なんだろ...

皆も気になったみたいで、目を向ける

「ＫＺだ！」

「ＫＺが来たぞ！」


校門から続々と自転車に乗ったＫＺメンバーがやってきた

菜穂たちも黄色い声を上げている


私？私は感動で声が出ない...

だって、あのＫＺだよ？元々いた世界じゃ会えない存在がいるんだよ？

声が出なくって当たり前じゃん！


呆然としていると、菜穂から話しかけられた

菜「もしかして、ＫＺ生で見るの初めて？」

『うん...』

菜「やっぱりね。私も初めて見たときは声が出なかった」

やっぱり皆そうなんだ...そりゃそうだよね。格好いいもん

そう考えていると...


菜「は？なにあいつ」

Ａ「え！？めっちゃムカつくんだけど」


何があったんだろ...

見てみると、アーヤが黒木くんと上杉くんに話しかけられていた

あぁ...これは...自爆

男女関係なしに恨まれるパターンだわ

ほら、皆からの目が痛いよ...

マジでドンマイ...


菜「皆行こ。篠田ちゃん、また明日」

『あ、うん。じゃあね』

今回は菜穂も嫉妬と言うか怒りというか...

女子って色々あるよね...

そう思いながら校門へ向かった

するとそこには...

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