礼儀正しい？普通でしょ。【青葉城西】

礼儀 >>2 ページ2

ふぅ、と息をついて1-6の扉を開ける。




「遅い」



『ごめんって〜』


だるそうにこちらに視線を向けた彼に、Aは手を合わせた。


ま、いいけど、と手元の塩キャラメルを口に放り込む。
……お昼食べてないでしょ。彼女は呆れたようにため息をついた。


彼女のため息に気づいた国見は、不機嫌そうに顔を上げる。


国「お前のせいで腹減ってんの。早くしてよ」

『はいはい、すいませんね〜』


自らもお弁当箱を広げて『いただきます、』と呟いた。
教室には2人しか残っていない。廊下のがやがやとした騒音もいつの間にか消えている。



『金田一は？』


国「屋上。バレー部の方」


『ふーん、』




…………先輩と一緒にお昼？ありえない。
金田一、よく食べれるね。私なんて絶対無理。一口も食べれない。


国「お前もサー、」


『ん？』


国「混ざってくればいいのに」



『ばか、それが無理だからこうしてるんでしょ。』



国「ハイハイソウデシタネー」




殴りたい衝動を抑えながら、Aは箸を進めた。国見は先輩と食べるのが面倒らしい。だからこうして私と食べている。国見、そういうこと言っちゃダメでしょう……、



(…………屋上なんて死んでも行かないっつうの。)

礼儀 >>3→←礼儀 >>1

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す