ケンカ_20 ページ20
「は? いや、ちょっと。沖田さん、何言ってるんですか」
「俺は違うクラスだから彼女を直接守れねェ。けどメガネ。お前だったら守れるだろ」
人だかりができているのを突っ切る。途中で友達に止められたけど、それでも止まらない。とにかく、あのバカをどうにかしないと。
「何してんじゃワレェェェェエエ!!!」
「ぐっほ!?」
総悟の頬にグーパンを喰らわせる。総悟は、尻餅を付き殴った頬をいってェ、と擦っていた。
「何するんでェ!! 今いいところだったじゃねェか!」
「何がいいところよ! かっこ悪いわ!」
立ち上がろうとする総悟を新八が支える。新八に支えられながらも立った総悟は、私のほうを睨んでいた。
「お前のために依頼してんだろ」
「何が私のためよ、何も知らないくせに。私はどうでもいいの。だってどうとか言ってるの彼奴らだけだし。それなのに依頼とかされたら迷惑でしかないの」
「俺はただお前が心配なんだよ」
「余計なお世話。あんなに強がってたくせに、何弱気になってんのよ。私が彼奴に負けるとでも? 笑わせないでよ。私は負けない。絶対に」
最後に総悟をキッ、と睨むと、はァ、と溜め息を吐いた。
「困った彼女だぜィ。彼氏の言うこともろくに聞けねェのかよ。ま、いいや。お前なんか守る必要、ねェもんな。こんなメスブタ守る必要ねェ」
「分かればいいのよ。……メスブタ!? 誰がメスブタよ!! このドS!!」
「残念。ドSは最高の褒め言葉だ!」
私たちがぎゃーぎゃー言い争っていると、新八はやれやれ、と首を振った。他のみんなからも笑いが起きた。
「いつもの調子に戻りましたね」
「うるさい! このバカ!」
「うるせェ! このぶす!」
総悟と私の声が重なって、校舎中に響き渡った。
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作者名:廉火 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Konatu0602/
作成日時:2018年4月16日 2時