ケンカ_13 ページ13
「うす」
「うすってなんだようすって」
うん、昼に続きナイスツッコミありがとう土方さん。
風紀委員の部屋でもある生徒指導室に顔を出す。もうとっくに土方さん、総悟、ザッキーが揃っていた。
「近藤さんは?」
「新しい奴呼びに行ってらァ。はァ、増えなくていいんだけどな」
「僕調べではクラスでモテてるらしいです。まァ、僕にはお通ちゃんがいますから関係ないですけど、沖田さんとAちゃんは気をつけてくださいね」
新しい奴、結構厄介ですよ。
ザッキーが本気の顔で忠告してくるものだから、思わず唾液を飲んだ。
その時、扉が開いた。
そこには、満更でも無さそうな顔の近藤さんと新しい人が入ってきた。
総悟を見る度に顔を赤くするのやめてほしい。
「じゃあ、春那ちゃん。自己紹介して」
「は、はいっ。えと、霞ヶ関春那です。よろしくお願いしますっ」
純粋そう。第一印象がそれだった。近藤さんは鼻の下を伸ばしてデレデレしちゃってる。
「……お妙さん」
ぼそ、と呟くとはっ! と近藤さんの顔が変わった。
表情がころころ変わるの、面白い。
「じゃあ適当にみんなも自己紹介して。あ、俺は終わってるから!」
「土方だ。風紀委員副委員長だ」
「……沖田だ」
「山崎です」
「平石」
少し顔をしかめたが、一応ちゃんと自己紹介をする土方さんと、あからさまに嫌な顔をする総悟、何もないように自己紹介をするザッキー、そして、無愛想な私。
ここまで来たら、もう嫌な委員会だよね。
それでも霞ヶ関さんはめげない。
「あの、総悟くんは下の名前分かるんですけど、他の方、下の名前言って貰ってもいいですか?」
上目遣いと純粋に可愛い声。普通の男ならノックアウトだろう。だが残念。
総悟が大きく舌打ちをし、土方さんが小さく舌打ちをした。
「土方十四郎だ」
「山崎退です」
「私は……」
「十四郎先輩と、退くんですね!」
「おい」
おっといけね。私の最低音が出てしまったぜ。
「こいつァ話になんねェ。なんで入れたんですかィ、近藤さん」
「いやァ、そのだな……」
「……無理矢理ですね、委員長」
「ギクッ!」
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作者名:廉火 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Konatu0602/
作成日時:2018年4月16日 2時