振られた【三ツ谷隆】

19：体育にて ページ21

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「パスちょうだーい！」


「ナイスサーブ！さすが現バレー部！！」







体育館に活気の良い声が飛び交う中、そこまで運動が得意じゃない私は足を引っ張らないように頑張るので精一杯だった。





五限目、体育。競技はバレー。




男女別れているものの、同じ体育館で授業をするから少し窮屈だと皆が文句を言っていた。








「雅火ちゃん、体育苦手？」


『どちらかというと苦手…球技とか特に無理……』


「ボールが言うこと聞かないよね、分かる」









試合をする度にドキドキしてしまう。ミスしたら終わる…色んな意味で終わる…！！



同じチーム内にバレー部の子がいると尚更だ。何を思われるか分からない。




姫治さんが別のチームだったのが唯一の救いだ……








早く終わってくれないかな、授業。









そんなときだった。








「雅火ちゃん！！！前、前見て！！！」



『…へ？』








目の前に、ボールが浮いていた。







物凄い音を立てて顔に当たり、思わずしゃがみこむ。






『いっ……たい………』





痛い。めちゃくちゃ痛い。どんだけ力入れて打ったのこれ！？





「雅火ちゃん！！！大丈夫！？」



「み、雅火さん！！ごめん、力入れすぎちゃって……」





謝ってきた子は、バレー部の子だった。




どうやらサーブに力を入れすぎたらしい。にしても痛い。






『だ、大丈夫……前見てなかった私が悪いから……』



「とりあえず保健室行こ！冷やさなきゃ…！！」



『いや、いいよ……試合続行で…』






気付かぬうちに沢山の人が集まっていたらしく、周りがザワつき始める。


凄い音鳴ってたもんな…そりゃ人も集まってくるよね。


姫治さんに見られたくない…顔伏せとこ……






…あれ、でもなんで男子まで来てるのかな？？





まぁ、何となく嫌な予感がした。










「…A、大丈夫か？」



『……あ、隆…』











お願いします。放っておいて下さい………

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