17：幼馴染 ページ18
.
それから私は校舎裏にぽつんと残されてしまった。
『……戻ろ』
まだ昼休みは終わってない。こんなところにいないで、早く戻ろう………
教室に戻ると、三ツ谷くんとさっきの背の低い子が楽しそうに話していた。
気づかれないように席に座る。なのに三ツ谷くんは速攻で私に気づいてしまったみたい。
「Aさんおかえり。今日実は部活ねえんだけど良かったら一緒に帰らねぇ？」
『え、えっと………』
さっきの出来事が頭をよぎる。なんて返答したら…？
すると背の低い女の子が口を挟む。
「ねぇねぇタカちゃん。私とは帰ってくれないのー？同じ部活だし、幼馴染じゃん！」
しれっとマウントをとってきたなこの子
前に三ツ谷くんは部活以外で仲良い女子が私しかいないと言っていたけれど、同じ部活なら三ツ谷くんに想いを寄せる子もいるはず。
私だけだなんて勘違いしちゃだめ。そんなんだから嫌がらせを受けたりするんでしょう？
「あー…悪ぃなモカ。今日はAさんを連れて行きてぇところがあるんだよ。ほら、前に言ったよなAさん、東京を案内するって」
『あ、うん……言ってたね』
その子の名前ってモカって言うんだ……名札には”
「えー？じゃあさじゃあさ！モカも連れて行ってよ！」
上目遣いでお願いする長谷部さん。三ツ谷くんもうーんと唸り声をあげる。
どうしよう、この子も付いてくるってなってたら途中でハブかれそう…
「……すまん、やっぱ今日はAさんと2人で行ってくるわ」
気まずそうに言う三ツ谷くん。三ツ谷くんは優しいからいいよって言うのかと思ってたけど何故か長谷部さんを断った。
「え、なんで！？なんでモカはダメなの！！？？」
彼女の声が荒くなっていく。この声が聞こえたのか、みんながこちらを見ている。
静まり返った教室の中、三ツ谷くんは耳を赤くしながら呟く。
「…Aさんと、2人きりがいいんだよ」
ふ、2人きりがいい…？それってつまり………デート！？
みるみる自分の顔が熱くなっていく。きっと周りから見たら真っ赤っかだ。
長谷部さんがこちらを睨みながら少し涙目で三ツ谷くんに言い放つ。
「…あっそ…！いいよ今日は別の子と遊びに行くから…！！」
走って席に戻る長谷部さん。
それから教室はずっと静かで、気まずいまま昼休みが終わった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 561人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
むぎ(プロフ) - こんぺいとうさん» こちらこそ何度もコメントありがとうございます…！続編作りましたので見て下さると嬉しいです！ (2021年8月30日 0時) (
レス) id: 817b6fa623 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとう - お忙しい中何度もコメントすいません(-｡-;) 続編ありがとうございます！これからも頑張って下ださい！応援していますね！ (2021年8月29日 19時) (レス) id: 2065642aec (このIDを非表示/違反報告)
むぎ(プロフ) - こんぺいとうさん» 返信が遅れてしまって申し訳ないです…！全然大丈夫でしたよー！こちらこそコメントして頂けて嬉しかったです♪頑張りますね！！ (2021年8月28日 13時) (レス) id: 817b6fa623 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとう - コメントありがとうごさいます！初めてコメント打ったので「これで大丈夫かな？」と思ったのですが、読んでいただきとても嬉しかったです！これからも頑張って下さい！ (2021年8月27日 6時) (レス) id: 2065642aec (このIDを非表示/違反報告)
むぎ(プロフ) - 無気力に自信が有る人さん» 2回もコメントありがとうございます…！続編を読みたいと言って頂けて嬉しいです！頑張らせて頂きます！！ (2021年8月26日 23時) (レス) id: 817b6fa623 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：むぎ
| 作成日時：2021年8月21日 15時
