10：近寄れない 1 ページ11
.
あれから1日。一応様子見となり、学校には午後から行くことになった。
大体4限目の頃かな。確か教科は…英語。
なるべく早めに着くように急いで学校に向かう。サボりだとか思われないといいけど……
少し不安になりながらも、何とか4限目の途中には着いた。
『おはようございます……』
静かに教室の後ろから入っていく。すると英語担当の先生が私に気づいたらしく、大きな声で名前を呼ぶ。
「おはよう一ノ瀬さん！申し訳ないけど渡したい物があるから前まで取りに来てくれる？」
わざと後ろから入ったのに、これだと余計目立っちゃうよ…でもさすがに断れないもんね…
『…はい』
みんなの視線がこちらを向く。コソコソと聞こえる話し声。
なんか変な汗が止まらないんだけど…
それから英語で使うのであろう教材やらを受け取って、素早く席に戻る。
「おはよ、Aさん。具合はもう大丈夫か？」
先生に気づかれないくらいの小さな声で三ツ谷くんが話しかけてくれた。
『おはよう、三ツ谷くん。おかげでバッチリ治ったよ』
私も同じくらい小さな声で話す。
「なら良かった。もう無理すんなよ」
ふっと笑って、三ツ谷くんは前を向いた。黒板に書いてある英文をスラスラとノートに写していく。
…この前も思ったけど綺麗な字だなぁ…私のとは全然違う。凄く丁寧な字。
三ツ谷くんのノートに見とれていると、先生が私を呼んだ。
「一ノ瀬さん、せっかくだからこの英文と日本語訳、読んで答えてみてちょうだい」
え、いきなり！？今来たところなのに？？？？
またクラスのみんながバッとこちらを向いた。どうやら拒否権はないらしい。
でも大丈夫…英語は得意科目だもの。
それにこれは2年生の範囲。簡単だ。
返事をして、私はすっと立ち上がる。
『When I got home, my brother was cooking.
私が家に帰ったとき、弟は料理をしていました。です』
「great!発音もスピードも日本語訳も完璧ですね。座っていいですよ」
先生に褒められて、席に座る。はぁ…ドキドキした……
____その後授業も終わり、お昼も食べ、お昼休みになった。
「さっきの英語の発音、凄かったよな。英語は得意科目って言ってたっけ」
三ツ谷くんがキラキラした目で褒めてくれる。
『えへへ、ちょっと頑張っちゃった』
このとき私は気づかなかった。沢山の女子たちがこちらを見つめていたことを
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 561人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
むぎ(プロフ) - こんぺいとうさん» こちらこそ何度もコメントありがとうございます…！続編作りましたので見て下さると嬉しいです！ (2021年8月30日 0時) (
レス) id: 817b6fa623 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとう - お忙しい中何度もコメントすいません(-｡-;) 続編ありがとうございます！これからも頑張って下ださい！応援していますね！ (2021年8月29日 19時) (レス) id: 2065642aec (このIDを非表示/違反報告)
むぎ(プロフ) - こんぺいとうさん» 返信が遅れてしまって申し訳ないです…！全然大丈夫でしたよー！こちらこそコメントして頂けて嬉しかったです♪頑張りますね！！ (2021年8月28日 13時) (レス) id: 817b6fa623 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとう - コメントありがとうごさいます！初めてコメント打ったので「これで大丈夫かな？」と思ったのですが、読んでいただきとても嬉しかったです！これからも頑張って下さい！ (2021年8月27日 6時) (レス) id: 2065642aec (このIDを非表示/違反報告)
むぎ(プロフ) - 無気力に自信が有る人さん» 2回もコメントありがとうございます…！続編を読みたいと言って頂けて嬉しいです！頑張らせて頂きます！！ (2021年8月26日 23時) (レス) id: 817b6fa623 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：むぎ
| 作成日時：2021年8月21日 15時
