ただの水を惚れ薬として飲ませたら【呪術廻戦】

07：無自覚症状 ページ8

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本当ならば、エイプリルフールは午後にはネタばらしをしなきゃいけないはずだった。




それが今、時計の指しているのは朝の8時。
まさかの次の日に突入していた。あまり引きずりたくはなかったというのに。




夏油から聞いた話によると、五条は私の知らないところで色々と喚いているらしい。


「なんで効果切れねえの！？」とか、「傑どうにかしてよ！！」とか。







ガムシロすごいな、まさか惚れ薬としての効果もあるなんて。





...とぼけるのは程々にしておいて、2日目とまでくると流石に何か手を打たなければいけない。



と言っても、ネタばらしすれば済む話。五条が聞こうとしないだけで。





そして今更ながらに私は思った。
単純に五条が私を好きになっただけなんじゃないかって。




でもそんな、ガムシロ飲んで私のことを好きになるなんて神経がおかしい。




というより、考え直せば私を好きになるなんて有り得ない。いっつも任務の邪魔してくるし、教室では足引っ掛けたり意地悪してくるし。



...少しは大切な同期だと思っているけど、意地悪ばかりは嫌いだ。







...という話を夏油にした。


すると彼は少し悩むと口角をあげ目を細めて




「実は飲む前からAのことが好きだった、とかね」



と笑った。あくまで推測だけど、と付け足すが流石に私も首を横に振る。







『いやいや、そんな素振り見たことある？私は一度もないよ』


「だって悟、ウブなところあるだろう。自覚症状がなかったんだよきっと。それで、今回の事件で自分の気持ちに気づいちゃったというわけ」


『...そんなことある...？？』







確かに夏油の話もありそうではあるけれど、私は中々そういう考えには至れなかった。



そんな私に、「好きな人には意地悪をしてしまうものだよ」と促すように語りかける彼。




その言葉を頭で反響させながら、昨日と変わらず私から顔を背けた五条を見つめた。

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