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11:零れた本音 ページ12

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『何言ってるの、そんなわけ...』

「俺だっておかしいと思ってる。でも、昨日からずっと抱きしめたくなるほどに愛らしくて堪らない。ただただ苦しい。惚れ薬のせいじゃなきゃなんだって言うんだよ、」






五条の少し潤んだ瞳が、私を映していた。
手に籠る力が強まり、体温が余計に伝わってくる。

夏油の言っていたことは、本当だったのだろうか。
本当の本当に、最初から、私のことを好きになってくれていたのだろうか。








『ねぇ、五条。どうしていつも私にばかり意地悪していたの?それに理由はあったの?』

「それは...そうでもしなきゃ、Aは俺に構ってくれないから。傑とか硝子とばっかつるんでるのが何か嫌で、でも俺にはこんなやり方しか思いつかないし」







ぽろぽろと五条の口から零れる本音、真実。
私が思っている以上に、彼は自分の気持ちに不器用だった。

そんな五条が少し可愛らしく見えてしまう私も私で、きっとどうかしてる。






『つまり君は、いっつも意地悪ばっかりしてくるけど本当は私のことが好きで。でも今まで自覚がなくて、それを惚れ薬もどき?に気付かされちゃったってことか』

「す...!?そんなの、俺分かんねーもん!!てか自分で言うなよAのバカ!!」






顔を真っ赤にしたまま五条は大声を出す。
さっきあんなに自分で愛らしいとか言っておいてまだ分からないなんて、相当ウブなんだろう。



逆にそんな彼をいじめるように、恥ずかしさを押さえ込んだ上で尋ねる。





『え、違った...?でも抱きしめたいんでしょ?』

「いやそれは、」

『私が夏油に抱きしめられてたらどう思う?』

「多分俺キレる」

『確定じゃん』





完全に憔悴しきった彼の前で、私は小さく笑みを漏らした。

外面では余裕そうに見せておいて、実は私も内心かなり焦っているなんて絶対に言えない。

12:全ての終幕→←10:答え合わせ



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むぎ(プロフ) - ごりらさん» ラストに注目していただけたの凄く嬉しいです…!!思わずニヤついちゃうコメントをありがとうございます、ごりらさんにとって記憶に残れるような作品が作れたことを光栄に思います…!!こちらこそありがとうございました!! (2022年4月4日 9時) (レス) id: 20f0e797ef (このIDを非表示/違反報告)
むぎ(プロフ) - あおぞら(`・ω・´)さん» あおぞらさんっ!!そんな!!こちらこそ読んでくれてありがとうっ!!! (2022年4月4日 9時) (レス) id: 20f0e797ef (このIDを非表示/違反報告)
ごりら(プロフ) - 完結おめでとうございます!!ラスト書かないの、色々考察できて良きですね…!!登場人物の心情の変化や情景がすごくわかりやすく、感情移入して楽しく読むことが出来ました!改めまして、本当に素敵な作品をありがとうございました!大好きです!お疲れ様でした! (2022年4月3日 21時) (レス) @page14 id: 0c5c330aa8 (このIDを非表示/違反報告)
あおぞら(`・ω・´)(プロフ) - むぎ様!!!なんて素敵な作品をっっっ!ありがとうございますっ!!! (2022年4月3日 21時) (レス) @page14 id: 11b3922fd9 (このIDを非表示/違反報告)
むぎ(プロフ) - ごりらさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!!ご満足いただける話になれたら幸いです...! (2022年4月2日 16時) (レス) id: 20f0e797ef (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:むぎ | 作成日時:2022年4月2日 14時

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