ただの水を惚れ薬として飲ませたら【呪術廻戦】

10：答え合わせ ページ11

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『な...さっき、近づけないって...』

「惚れ薬じゃないって聞いたら、平気になった」





そう言いながらも頬は赤らめたままの彼は私と目を合わせようとはしない。





その言葉を聞いて流石の私も驚いた。

正直、何言ってんだこいつって思った。






つまりは、近づけなかったことなど全部、惚れ薬を飲んだからだという思い込みによるものだったと言っているようなもの。



そんな話があるのだろうか。いやいやないでしょう。
もしかして最初からガムシロだったと気づいて...なんて考えも少し頭を過ぎり始める。






ひとまず誤解が溶けたという安心感。それと同時に、私のことを前から好きだったという夏油の予想もなくなったことを思い知る。




期待なんかしてない。だって私にとっての五条はただの意地悪な同期、それだけ。







「んで、理由聞きたいんだけど。なんで嘘ついたの俺ちょー傷ついた」

『いや、昨日エイプリルフール...いつもの仕返ししようと思ってて...』






違うと聞いた途端から五条の態度は急変する。
そんな彼の心情なんて、一体誰が分かるというのか。



そんな五条は私の言葉になんとなく察しがついたのか深くため息をついた。






「昨日の夜、傑に言われた。俺は誤解してるって。この痛みも気持ちも、惚れ薬のせいだと勘違いしているだけだって。いつもの俺が1番悪いって」


『あー...そう、だね。てか私は夏油からそんなこと言ったなんて一言も...っ！？』








苦笑いする私の言葉を遮るように、突然五条が手を掴む。
本気で困惑する私を置いて、彼は必死に訴えかけ始めた。






「昨日から薄々と傑の言葉を信じ始めてたんだよ俺。なのに、直接嘘だったって聞けるまで近づけなかったし、全部分かった今でも、お前を見るだけで胸が苦しくなる。この理由はなんなんだよ！」



『...ん？』




ごめん、ちょっと状況が掴めない。

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