17:ずるいよね ページ18
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『...隆くん、暑いよ』
「A寒がりだったろ嘘つくなって」
そう言いながら顔をスリスリしてくる隆くん。酔ってる??
三人がけのソファの上、私はいつもみたいに彼の足の間に挟まっていた。
もう夏も終わって秋の季節だけど、何故かとても暑い。
『もう夜だから冷え込むはずなのに暑いんだもん』
「俺に抱きしめられてドキドキしてくれてるってことか?」
『そんなことは...ないとも言いきれない』
このくらいのことには慣れてないとやっていけないよ私。
だけど確かに、少しドキドキしてる…??
胸に手を当ててみれば、首筋に触れる柔らかい唇。
嬉しそうに隆くんが呟いた。
「不意打ち、効果出てきてるな」
『...あーそっか、隆くんのせいだったんだねこの暑さ。不意打ち禁止令出そうかな』
「最初に言い出したのAだろ。発した言葉には責任持てって」
意地悪く笑えば、抱きしめていたはずの手がドサッと私の体を押し倒してきた。
よく漫画とかで見る展開。
...あれ、これヤバかったりする...??
『そ、それも不意打ち。ダメ』
「照れてんのかわい。もっとよく見せろ」
『話聞いて?』
こういうときっていつも話聞いてくれない。ずるい。
反抗しながらも結局、最後は彼にされるがままになってしまっているのだけれど。
『今日お酒飲んでないよね?どこでアルコール摂取したの??』
「Aから摂取した。つうことでキスしていいか」
『無理やり感凄いね?でもいいよ。キスは』
キスは、ね。
仕返しするように言えば、少しSっけの籠ったキスを落としてきた。
意地悪く舌を絡めてくる。
『...やっぱりキスより抱きしめて欲しい、かも』
「欲張りだな、Aは。まぁ言われねぇでもするつもりだったけど」
クスッと笑ったかと思えば、ヒョイっと体を抱えられてベットに直行。
なんでベットって聞いてみれば、「こっちの方が抱きしめやすい」って一言。
ギュッて私も抱きしめ返すと、嬉しそうな隆くんの声。
「俺、Aが傍にいてくれるだけで幸せだから」
...なんて、いつもは言わないのに。
...なんか、色々とずるいな。
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椿(プロフ) - 三ツ谷クンかっこよす…! 以前のコメの返しに書いてあったんですけど裏事情編はもう世には出さないんでしょうか…? (2022年6月25日 2時) (レス) id: 2ebe3047aa (このIDを非表示/違反報告)
東リベ推し - 尊死してます⭐️最高です❗️お話作りの天才だ,,, (2022年3月28日 14時) (レス) @page30 id: e85af83036 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - あっそうだったんですね!全然気にしないで下さい!!本編でお腹いっぱいなくらいですから! (2022年2月6日 19時) (レス) id: 8246f3ea16 (このIDを非表示/違反報告)
むぎ(プロフ) - みおさん» あわわごめんなさい...!!諸事情で裏事情編を消してしまって...すっかりこちらのお知らせを削除しておくのを忘れてしまっていました、大変申し訳ないです... (2022年2月6日 15時) (レス) id: 817b6fa623 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 1日で全部読んでしまいました、最高です、むぎさん神ですか?もう、本当に!何ですが何故か裏事情編が見れなくて、ログインもしてその不健全なのも見れるようにしてあるんですが、 (2022年2月5日 15時) (レス) id: 8246f3ea16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むぎ | 作成日時:2021年10月14日 21時