乗っ取りません：１１ ページ11
A 「すみません！ しぃくん見ませんでした！？」
一期 「……えっ」
翌朝、しぃくんと一緒に朝ご飯を作りに本丸に行った。
じっとしていて、と言ったのにも関わらず、ボクが朝ご飯を作っている間にどこかへ行ってしまったのだ。
思い付きそうな粟田口の部屋へ来たわけだが、見る限りしぃくんの特徴的な赤い髪は見当たらない。
それ以上に、ボクが目に入ったのは大きく目を見開いたいち兄の姿だった。
その姿は手入れを受けていないのが一目瞭然だった。周りに短刀がいるから、余計に。
目を逸らしたくなるのをこらえ、驚いて言葉を失っているいち兄に声をかける。
A 「えーっと、急に騒がしくしてすみません」
一期 「いえ。……本当に、来ていたんですね」
A 「はい、お世話になってますよ〜。ところであの、しぃくんってここにきてませんか？」
一期 「しぃくん、とは？」
A 「あ、しな――……」
信濃 「大将ー！」
A 「うわぁっ！！ び、びっくりした、まじでびっくりしたんだけど」
信濃藤四郎です、と言葉を紡ごうとしたちょうどその時、後ろからしぃくんが抱きついてきた。
本当にびっくりして、大きな声を出してしまった。
信濃 「もー、大将探したよ？」
A 「いや、ボクが探してたんだけどね。どこ行ってたの？」
信濃 「暇だったからブラブラしてたんだ。戻ったら朝餉出来上がってて大将いなかったから、とりあえず運んでおいたよ」
A 「ありがと、助かる〜。じゃあ戻ろうか」
信濃 「うん！ ……あれ？ いち兄？」
一期 「信濃、藤四郎？」
ボクの後ろからひょっこりと顔を出してしゃべっていたしぃくんが、いち兄の姿をとらえた。
いち兄はボクが来た時よりも驚いた顔をして、すぐに切なそうに目を伏せた。
周りの短刀達は、しぃくんを見て口々に言葉を溢していった。
前田 「信濃？ 信濃って、あの？」
乱 「嘘でしょ……？」
厚 「なんで、ここにいるんだ……」
いやぁ、まさか最初にバレるのが粟田口だとは思わなかった。
なんでいるか、とかは最後の最後まで説明はしないけどね。
A 「しぃくん、ご飯冷めるし行こっか」
信濃 「うん。じゃあね、いち兄、みんな」
しぃくんがヒラヒラと手を振ったのを確認し、ボクは失礼しますと頭を下げてから襖を閉める。
チラリとしぃくんを見ると、なにかを考え込んでいるように見えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1898人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
藍(プロフ) - 面白いです。更新待ってます😊 (2022年12月8日 8時) (
レス) @page22 id: efa571101a (このIDを非表示/違反報告)
アラバ - とても面白いです！！応援しています！！ (2022年9月6日 14時) (レス) @page23 id: 7b928464a0 (このIDを非表示/違反報告)
まと(プロフ) - 面白いです！更新待ってます！頑張ってください！ (2019年8月9日 19時) (レス) id: 0ae277004f (このIDを非表示/違反報告)
キリンの妖精、キリンロング - 更新待ってまーす！m(_ _)m (2019年5月25日 22時) (レス) id: 390c1ef0c5 (このIDを非表示/違反報告)
らんじぇ(プロフ) - ゆめぴーなっつさん» 返信遅くなり大変申し訳ございません！ありがとうございます！刀剣男士だけでなく、審神者ズたちもお褒めいただき、ものっすごく嬉しいです((o(*>ω<*)o))コメント、心より感謝いたします！ (2017年7月28日 13時) (レス) id: 46a2904721 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：らんじぇ
| 作成日時：2016年11月7日 12時
