その手を離さないで (ページ3)

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Ep2 ページ3

主任「Aくん。ちょっといいかね。」

全くもって良くないです。そう答えれたらどれだけいいか。
主任の［ちょっといいかね］は仕事を押し付けたい時の決まり文句だ。

サヨ「また仕事押し付けやれたの！？断りなさいっていっつもいってるでしょ！？」

「だってぇー…」

サヨ「手伝ってあげたい所なんだけど、今日お父さんの病院行かなきゃいけなくて…」

「そっか…やっと面会ができるようになったんだもんね」

サヨ「一時期はどうなるかと思ったけど。Aのおかげで本当に助けられた。ありがとうね。」

サヨのお父さんは1年前倒れてからあまり調子が良くならず、最近手術を受けて、今は療養中だ。

今日も残業か……。

「んぁー！終わらん！！…もうこんな時間だ…」
後これだけ！

ッピト

「ギャー！！！ッ」
後ろを勢いよく振り向くと知った顔が。

ショータロウ「。。。プッ！クックゥごめっワハハ！！！」

「びっくりしたじゃん！え！？何でいるの？」

ショータロウ「営業先の人と飲みだったんだよ。まぁ接待ってやつ？」

「あー、なるほどね。人気者も大変だ。」

ショータロウボソッ「人気者はAじゃん。」

「え？なんか言った？」

ショータロウ「いや！何も！ほらこれやるよ」

「神か？仏か？ザビエルか？」

ショータロウ「意味不明だわ。」

私の好きなもの、何でこんなに知ってるんだろう。などと、大好きなピーチティーを飲まながら仕事に戻った。

ショータロウとたわいもない話をし、帰宅。ショータロウの家もサヨの家も私の家から徒歩10分といった私的に最高の場所にある。

ゆっくりしてたら、日付をまたいでいた。

「んぁ〜っ！やっと眠れる〜……ぐぅ〜」

………
(また、ここ…)

(一体何だろうここは)

　
(あ、今日は歩ける)

やたらとオシャレだな。白いタイル。不思議な絵。
セ、セサミストなんちゃらのぬいぐるみがいっぱい。

〜♪

また聴こえる。あの声。とても心地がいい。

あの明かりがついてる奥の部屋だ。

男の人…？

？？「ん？」
ドキッ

………

「ー……はっ！？」
「また…あの夢？」
妙にリアルというか

サヨ「…っねえ！Aってば！」

「…っ！？ごめん！何て？？」

サヨ「元々ぼーっとしている子ではあったけど、最近もっとひどくなってる。どうしたの？」

「んー…私にもよく分からなくてさ…」

それから、たびたびあの夢を見るようになった。