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この目から流れるモノは、涙。ああ、私ないているのか

「馬鹿だな。自分も夜兎って事忘れたの?」

声のする方を見上げると神威が私に傘を差し出していた

「…遅かったよ」

ジジイ、アンタにはこんな仲間がいなかったのに…

私はそれに気づく事すら…

「馬鹿な人…」

遊女達に連れられてきた彼女はジジイを抱えそう言った

「アンタは…」

「ひ、日輪…」

その声を聞き閉じられていたアイツの目が微かにゆっくりと開いていく

「ずっと見せてあげたかった。この空を貴方に…言ったでしょ?お日様と仲直りさせてあげるって。私知ってたのよずっと、どんなにひどい事をしたって貴方は夜王なんて大層なものじゃないって、ただこうしたかったのよね。ただこうして日向で娘と一緒に居眠りしたかっただけのおじいちゃんなのよね」

日輪は涙を流していた…他の誰でもないジジイの為に

なんだ、アンタにもいるじゃないか

アンタの為に涙を流してくれる優しい友が…

「ジジイ私の声が聞こえるか?」

「A、お前もそこにいるのか」

「ああ、ったく最後に似合わない面見せんじゃねぇよ」

「フッ お前は本当に最後まで可愛げのない娘よ」

きっとジジイはもうじき死ぬ…この太陽に負けて

「立てよ、こんな死に場所アンタには似合わない」

「やめなさい、貴方の父親はもう…」

知ってるよ日輪。だからこそ私にはジジイを殺す義務がある

「また手合わせ頼むよ、神威ジジイの傘持ってきて」

「クッククク …良かろう。今度ばかりは容赦せぬ…死んでもワシを恨むなよ」

本当アンタは化け物だよ。そんな体にまでなって私の挑発にのるんだから

ゆっくりと腰を上げ神威が持ってきた傘を手にジジイは立ち上がる

「こい!A!」
「ウォオオ!」

私の拳はアイツの体を貫き僅かに残っていた血が流れ落ちる

「やっぱアンタには勝てない…か。父さん」

父の傘は私のわずか数センチ前で止まりそれ以上迫ってくる事はなかった。

太陽が見守るこの場所で夜王鳳仙は私の拳に体を貫かれ死んだ。最後まで娘に本気を出す事なく…とても幸せそうな顔をして…

“ありがとう”

気のせいかもしれないでも父さんは最後そう言った様に聞こえた

「神威、傘貸してくれてありがとう」
「アハハ 使ってなかったけどね」

何も言わずに見守っていた神威に今度は私が傘を差し出す

「健やかに眠れ、我が父…愛する鳳仙よ」

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作者 - 実珠さん» 温かいコメントありがとう御座います!暫くの間配信出来ず遅くなりすいません!続編も書き続ける予定なので宜しければお暇な時にでも、見てください!!頑張ります (2022年1月26日 1時) (レス) id: 3ce7835c84 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - めっちゃくちゃ面白いです!夢主が作品に馴染んでて可愛いし……スラスラ読めました!!!最高です……!神威かっこよ……これからも更新応援してます!頑張ってください!!! (2022年1月23日 9時) (レス) @page48 id: 2209f9ef43 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - たこ足配線さん» ありがとうございます!!配信遅くなりすいません!頑張ります (2022年1月15日 0時) (レス) id: 3ce7835c84 (このIDを非表示/違反報告)
たこ足配線(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです!!続き楽しみにしてます!✨ (2022年1月13日 3時) (レス) @page45 id: a502f56163 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - サブリオさん» 素敵なコメントありがとうございます!!頑張ります! (2022年1月5日 1時) (レス) id: 3ce7835c84 (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2021年11月28日 2時

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