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「気に食わぬ!主らのその目が気に食わぬのだ!」

侍とジジイの戦いはますます激しくなりもうどちらが勝つかわからない程だ

「ジジイ…」

神威に腕を掴まれたまま私はその様子を見ていた

「いい加減気づきなよ。鳳仙が乾いてんのはお前のせいでもない」

「何言ってんだ、さっきの話聞いてただろ?」

「ウン、でも違う。鳳仙がお前を太陽から離したのもあの時お前を半ごろしにしたのも、全部自分自身の為だよ」

自分自身の?ますます訳がわからない。一体ジジイは何考えて…

「怖かったんだ、お前を誰かに取られるのが。怖かったんだ、たった1人で老いていくのは」

「え…」

「確かに鳳仙は怪物だ。でも1人のか弱い人間でもある、それはお前がよく知ってる事だろ?」

そうだ、母が死んだ時アイツは確かに涙を流していた。誰よりも強いはずなのに…願えば全て手に入れるはずの鳳仙が一つの命の為に泣いていた。2度と手に入らぬ愛する人間の為に

「本当に欲しい者を鳳仙は手に入れられなかったんだよ。お前が見つけた本当の仲間を」

ジジイはいつも1人だった。どんな時でもたった1人先頭を走るジジイの背中は私達の憧れでもあった。

愛が幻想?そうじゃない

追いかけて追いかけも追いつけなかったその背中は

本当は暗闇の中1人誰かの助けを待つ寂しい背中だ

「A、もうじき鳳仙の世も明ける」

ゴゴゴという地響きと共に一筋の光が差し込みその光は消える事なく大きくなっていく

「爺さんの負けだ」

呆気に取られている私を物陰に引き寄せ神威はそう言った

「ウッウアアー!血が肉が…魂が渇いていく」

その光に照らされたアイツは皮膚が崩れ落ち目からは血が流れ出していた

「ウォー!これで終わりだ鳳仙」

怯んだアイツの腹には侍の剣が差し込まれジジイは屋根の上と吹き飛ばされていった

一番強く太陽が差し込む場所へと…

「ジジイ!!」

痛い…こんなに痛みを感じたのはいつぶりだろう。
神威の腕を振り切りジジイの元へ駆け寄る私の皮膚にも太陽の光が刺さり焼き切ろうとしてくる

でもきっと痛いのは太陽のせいじゃない

「我が天敵よ…久しぶりに会っても何も変わらぬな。何と忌々しい…だが美しい」

「ウッ…ハァハァ、なにしてんだよ!」

「変わらぬ…変わらぬよ。我が娘も貴様と変わらぬ」

「アンタ見えてないのか…?」

駆け寄った私に気づく事もなくアイツは太陽へと手を伸ばしていた

私も気付くのが遅過ぎたよ。

「すまない。ジジイ」

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作者 - 実珠さん» 温かいコメントありがとう御座います!暫くの間配信出来ず遅くなりすいません!続編も書き続ける予定なので宜しければお暇な時にでも、見てください!!頑張ります (2022年1月26日 1時) (レス) id: 3ce7835c84 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - めっちゃくちゃ面白いです!夢主が作品に馴染んでて可愛いし……スラスラ読めました!!!最高です……!神威かっこよ……これからも更新応援してます!頑張ってください!!! (2022年1月23日 9時) (レス) @page48 id: 2209f9ef43 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - たこ足配線さん» ありがとうございます!!配信遅くなりすいません!頑張ります (2022年1月15日 0時) (レス) id: 3ce7835c84 (このIDを非表示/違反報告)
たこ足配線(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです!!続き楽しみにしてます!✨ (2022年1月13日 3時) (レス) @page45 id: a502f56163 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - サブリオさん» 素敵なコメントありがとうございます!!頑張ります! (2022年1月5日 1時) (レス) id: 3ce7835c84 (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2021年11月28日 2時

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