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私の母親は笑うと太陽みたいな人だった。
「ママ、パパはいつ帰ってくるの?」
「さぁいつかしらね、でももうすぐなのは確かよ」
「…パパ嫌い」
「あら?どうして」
「パパはいつも違う人といてばっかだもん。明日だって私の誕生日なのに」
そう泣きべそをかく私の頭を母親は撫でていた。
「パパはね、すごいのよ?故郷を無くした私達の為に居場所を作ってくれてるの」
「でもお家なら此処にあるよ!」
私には母親の言った事が分からなかった。知らなかったんだ…ジジイが居ない理由もその間母親がどうやって私を守っていたのかも
「ようやく、見つけたぜ鳳仙のガキ」
よく晴れた日だった。そんな日は傘をさしている事が怪しまれぬ様外に出ない約束をしていた。でも私は父親への反抗心から家出をしてやろうと思ったんだ。そうすれば二、三日後にジジイは帰ってくると
だけどそれが間違いだった。母親が口煩く言っていたのは奴らに見つからない為だったんだ
あの頃からジジイの強さは群を抜いていた。第七師団まで結成し勢力は止まる事を知らない。
そんな危ないやつを引き入れてしまった春雨は鳳仙を生かすまいと血眼になって私達を探していたんだ。ジジイを誘き寄せるエサとして
「その子を離しなさい!」
「ウルセェぞ、女」
その罠にまんまとハマった私は捕まり母親の元へと奴等に連れて行かれた
「馬鹿な女だぜ、子ども見捨てりゃ逃げられたってのによ」
「夜兎の癖に家族ごっこか?笑えるな」
「安心しろ〜ガキを殺すのは鳳仙がきてからだ」
「女、アンタは違うがな。どうせ殺すんだ遊んでからにしよう」
「ママ!!」
思い出したくもない
私の目の前で母親は殴り、蹴られ
奴らはボロボロになっていく母を見て笑っていた
「さぁ〜て気がすんだな。ガキ、よーく見とけお前の母親の死様って奴を」
限界だった。このゴミカス共にも逃げない母親にも
“殺したいなら殺せばいい”
その時私の中で知らない私の声が聞こえた
“本能に従え”
何が起きたかは分からない。気付けば奴らはバラバラになって私の周りに落ち、血に染まった手を私は嬉しそうに見つめた
「フフ…フフフフ」
もうやめてくれ…止まれよ。誰か私を止めろ!
頭ではそう思っているのに体が言う事を効かない…渇いていく。早く血を…獲物を…
「…A」
「ヒッ、見つけた」
「…ご…めん」
あの時最後に私が見つけた獲物は…ママだ。
とどめを刺され息絶えようとする中彼女は私に謝っていた
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作者 - 実珠さん» 温かいコメントありがとう御座います!暫くの間配信出来ず遅くなりすいません!続編も書き続ける予定なので宜しければお暇な時にでも、見てください!!頑張ります (2022年1月26日 1時) (レス) id: 3ce7835c84 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - めっちゃくちゃ面白いです!夢主が作品に馴染んでて可愛いし……スラスラ読めました!!!最高です……!神威かっこよ……これからも更新応援してます!頑張ってください!!! (2022年1月23日 9時) (レス) @page48 id: 2209f9ef43 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - たこ足配線さん» ありがとうございます!!配信遅くなりすいません!頑張ります (2022年1月15日 0時) (レス) id: 3ce7835c84 (このIDを非表示/違反報告)
たこ足配線(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです!!続き楽しみにしてます!✨ (2022年1月13日 3時) (レス) @page45 id: a502f56163 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - サブリオさん» 素敵なコメントありがとうございます!!頑張ります! (2022年1月5日 1時) (レス) id: 3ce7835c84 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2021年11月28日 2時