Eighty “Bedauern” ページ9
中に入ると、一人が入るにしては広々しすぎている大理石の浴槽が、視界に映った。
今この浴槽には、用がないため、個室になっているシャワールームへと足を運んだ。
自分の身長より高い位置にシャワーヘッドが置いてあることを確認してから、上に向いたレバー式の蛇口を自分がいる手前に捻った。
シャー…
音は耳元で聞こえてるはずなのに、その音が何故か遠く、か細く聴こえた。
肌に付着していた血を、シャワーで洗い流していく。
顔を俯かせれば、銀色の排水口が見えた。
水と共に流れていく赤を何処かぼんやりと見つめて、蛇口を元に戻すように捻った。
身体を洗って、髪を泡立たせて、洗い流して、その行動をこなしていく。
“ぼんやりとした頭”で全部の行程を行った。
のぼせたかなと思いつつ、シャワーヘッドから流れる水を止めようとはしなかった。
朦朧とする頭の中で響いたのは、シャワーの水が大理石の床に叩きつけられる音ではない。
懐かしい誰かの言葉。
＿君は何でもそつなくこなしていく＿
そうだね
＿でも、君は完璧じゃない＿
知ってるさ
＿だが、不完全な人間でもない＿
…それじゃあ私は、
『誰、なんでしょうかねぇ…』
抑えきれなくなったかのように、思っていたものは“言葉”として口から飛び出して行った。
嗚呼、駄目だ。
“模範解答”がどうしても欲しくなる。
＿ぼうっと突っ立ってないで行くよ〜！＿
無邪気で
＿これ教えてくれない？＿
とても＊＊とは思えなくて
＿…前向けよ。＊＊＿
でもやっぱり＊＊で
＿…お前に託す。何もかも＿
…“傲慢”で“我儘”で“最低”で
・
・
＿…心から愛してる。A。＿
・
・
・
・
…“最高”な、私の一番大切な人。
ただ壊すことしかできなかった。
先程も言ったが、反省は生まれてこの方した事がない。
…だが、“後悔”はあった
馬鹿げた事だ。
ただ悔やむだけで、それ以外は空っぽ。
…いや、ひょっとしたらその後悔すらもなかったのかも知れない。
『……』
だってこんなにも。
恐ろしいくらい、無表情だから。
『とても悔やんでる顔になんか見えないよね。』
いつの間にかシャワーの水は止まっていた。多分無意識の内に、私が止めていた。
私が呟いた言葉は、誰にも聴こえないまま、広々とした浴場に寂しく反響する。
『さて…戻りますか』
Bedauern 後悔
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SAKURA(プロフ) - ＫＺファンさん» 励ましのお言葉有難う御座います！！受験生辛たん…。 (2018年12月31日 12時) (
レス) id: 93ee48c149 (このIDを非表示/違反報告)
ＫＺファン - こんにちは！受験生なのに大変ですね？私もついつい、毎日、見に来てしまいます。頑張ってください。 (2018年12月31日 12時) (レス) id: 7d84edeee2 (このIDを非表示/違反報告)
SAKURA(プロフ) - ゼロさん» お互い大変ですね…^_^;更新も受験も頑張ります！ゼロさんも受験頑張ってください！ (2018年12月24日 20時) (レス) id: 93ee48c149 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロ - 受験大変ですね。実は私も今年受験なんです。それでもつい毎日この小説チェックしてしまいます(>_<) これからも頑張ってください！ (2018年12月24日 19時) (レス) id: 3abbab8517 (このIDを非表示/違反報告)
SAKURA(プロフ) - 夏目さん» あ、ありがとうございますぅ…(´；ω；`)これからも宜しくお願い致します^_^ (2018年12月24日 16時) (レス) id: 93ee48c149 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SAKURA | 作成日時：2018年11月29日 3時
