Seventy Two “Das Mädchen hat früher gesprochen” ページ47
美しい春がやってきた。
『きょうもわたしのかちだね。いったいいつになったらかてるのかなぁ…』
_…やっぱりかてないなぁ。**には_
_うるさい。つぎかてばいいだろ_
いつものようにして、手合わせをした後、余裕ありげに呟く少女。
兄の方は、苦笑いを浮かべながら呟き、弟の方は、意地を張ったようにリベンジを宣言する。
それは、酷く冷静な言葉ばかりだった。
話し始めた少女と兄弟は子供のようにはしゃぐこと無く、只々先程の手合わせの様子などを話し合っている。
…これで六歳と四歳である。←
この冷静さと振る舞いから、少女とまでにはいかないが、この兄弟も多少なりとも自我を持っていたということであろう。
周りから見たこの三人の雰囲気は、やはり不思議なものだった。
口調と小さな体格は幼児なはずなのに、言葉や振る舞いは、まるで大人に近い何かを感じさせる。
其処に関しては、少女の両親も驚いていた。
『あそこのさくらのしたでやすもうよ。』
_そうだね/おう_
『休もう』と少女がそう言うと兄弟が返事をして、少女を挟むようにして、三人は歩き始めた。
そうして辿り着いたのは、綺麗な満開の桜が咲き誇る場所。
この時にしか見れない満開の桜。
少女と兄弟しか知らない、秘密の場所。
少し靡く風で、桜の花びらがひらひらと舞い落ちた。
ゆっくりとした足取りで、桜のそばへ行く。
少女達はその桜の木の下で、頭を寄せ、円を描くようにして大の字に寝そべった。
_…きれいやなぁ。_
不意に、兄は上を見つめながら呟いた。少女も弟も、真似をするかの如く上を見つめる。
目前に広がるのは、綺麗な桃色の花。ひらひらと舞い散っては、また舞い散ってを繰り返している。
きれい…少女も弟も、兄と同じようにそう思った。
すると、一枚の桜の花びらが、大の字に寝そべっている少女の右の手の平に乗っかった。
それと同時に兄が桜を呆然と見つめながら言った。
_ちきゅうにとっては、ぼくたちもさくらとおなじなんだろーね。_
『…なれるかな、このさくらみたいに』
目前に広がる秀麗な桜をみて、その言葉と共に、少女は右手を優しく握った。
_きれいにいきなくてもいいだろう。じぶんがなりたいものになればいい。_
少女の呟きを聞いた弟は、大人じみた回答を返します。
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SAKURA(プロフ) - イルサーさん» マジっすか!?変換されてない部分があったと思います!訂正致しますので、少々お待ち下さいませ! (2018年12月1日 7時) (レス) id: 93ee48c149 (このIDを非表示/違反報告)
イルサー - 名前が小雪から変えられないのですがどうしたらいいですか? (2018年12月1日 0時) (レス) id: ac8521eb4f (このIDを非表示/違反報告)
SAKURA(プロフ) - りゃくやさん» そうですか…やはり行くべきですかねぇ…コメント&お気遣いありがとうございます(^^)お互い大変ですね(^_^;)声、お大事になさってくださいね! (2018年11月15日 23時) (レス) id: 93ee48c149 (このIDを非表示/違反報告)
りゃくや - 病院行ってください、僕も先月合唱祭の日熱出しながらも歌ったら、声可笑しくなりましたから、まぁ僕病院行ってませんけど (2018年11月15日 23時) (レス) id: ede8872d44 (このIDを非表示/違反報告)
SAKURA(プロフ) - パーカー好きさん» お気遣いありがとうございます!パーカー好きさんも気をつけてくださいね(^^) (2018年11月15日 0時) (レス) id: 93ee48c149 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SAKURA | 作成日時:2018年10月23日 0時