Sixty One “Mondschein” ページ36
…ベッドの毛布の中に潜り込んで、どれくらいが経っただろうか。
目を瞑っても全く微睡む気配も見せない意識に、心の中で溜め息をついた。
眠れないのは何時もの事。
いつから眠れなくなってしまったのか、大方見当はついている。
追求しないのはきっと私が“諦めている”から。
追求したところで、失ってしまったものは帰ってくることはない。
こうして諦めることができるということは、其処まで睡眠というのは大事なものではないということを意味している。
皮肉なものだ。とも思わない。
だって元より期待なんてしていなかった。“自分がそうなろうと努力すること”はあっても、期待はしてなかった。
_それは睡眠だけ?_
いいや?
_それは何?_
さあね。
自分がどういう人物なのか、私にもわかんないな。
分かったとしても、きっと私は知らないフリをする。
それが私。
“縛り付けている原因の鎖を壊すことも傷をつけることもできない”
さて、縛り付けているのは誰?
…さあね。
ぐるぐると筋が通っているのか通っていないのか分からない言葉を延々と並べていく。
そうしていつも、眩しいくらいの朝がやってくる。
…だが、今日は違う。
天井の隅の監視カメラを見つめる。
カメラを隔てて私を監視している天さんは、眠った頃合だろう。
ダメじゃん。天さん?
ちゃんと監視しないと、また書記長さんに怒られるよ?
自然と弧を描く口元を浮かべながら、私はベットから体を離して、白い月明かりが入ってくる窓際へと体を寄せる。
パーカーの右ポケットには脅威さんからもらった折りたたみ式のサバイバルナイフ
パーカーの左ポケットには教授さんからもらった手榴弾
腰には復讐鬼さんからもらった日本刀
肩には狂犬さんからもらったアサルトライフルと天さんからもらった弓
…その身体には、先程もらった武器の姿。
色んな武器をもらったんだなと思いつつ、窓の扉を開けた。
ギィ…と少しだけ錆びた鉄の音を響かせて、窓がゆっくりと開く。
開けた瞬間に少し肌寒い夜風が、少し勢いを付けて部屋の中に入り込んできた。
その夜風で、白いフードがパサリ…と上げられる。
『っと…』
再びパーカーを被って、今度はパーカーが上がらないように左手で抑える。
軽くジャンプして、窓の淵に立つ。
空を見上げれば、月が良く見えた。
『行ってきます』
誰もが寝静まる午前二時半
一つの影が、月のそばを通って行った。
Mondschein 月明かり
Sixty Two “Attentat” Noside→←Sixty “Ein Stück Papier” 総統side
ラッキーアイテム
トルコ帽
我々だ!カラー
紫
342人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
ファンタスティックビーストと愛されてはいけない動物[ニュートスキャマンダー]
書記様の言うことはぜった〜い(白目)【tn】
「トリップ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
SAKURA(プロフ) - イルサーさん» マジっすか!?変換されてない部分があったと思います!訂正致しますので、少々お待ち下さいませ! (2018年12月1日 7時) (レス) id: 93ee48c149 (このIDを非表示/違反報告)
イルサー - 名前が小雪から変えられないのですがどうしたらいいですか? (2018年12月1日 0時) (レス) id: ac8521eb4f (このIDを非表示/違反報告)
SAKURA(プロフ) - りゃくやさん» そうですか…やはり行くべきですかねぇ…コメント&お気遣いありがとうございます(^^)お互い大変ですね(^_^;)声、お大事になさってくださいね! (2018年11月15日 23時) (レス) id: 93ee48c149 (このIDを非表示/違反報告)
りゃくや - 病院行ってください、僕も先月合唱祭の日熱出しながらも歌ったら、声可笑しくなりましたから、まぁ僕病院行ってませんけど (2018年11月15日 23時) (レス) id: ede8872d44 (このIDを非表示/違反報告)
SAKURA(プロフ) - パーカー好きさん» お気遣いありがとうございます!パーカー好きさんも気をつけてくださいね(^^) (2018年11月15日 0時) (レス) id: 93ee48c149 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:SAKURA | 作成日時:2018年10月23日 0時