蛇と本【文豪ストレイドッグス】

三十一話 ページ34

箕「何を……黙っている杉本」

江「彼は考えている最中だよ。減った三発分の銃弾についてどう言い訳をするかをね」

箕「オイ杉本！お前が犯人の筈がない、だから早く銃を渡せ！！」

すると杉本さんは銃に手をかけジャキッと銃を構える

「マズい」という太宰さんの声が聞こえ

ドンッと太宰さんがお兄さんを押した

お兄さんは遣るしかないと思ったのか杉本さんを取り押さえた

杉「放せ！僕は関係ない！」

江「逃げても無駄だよ。犯行時刻は昨日の早朝、場所はここから140米上流の造船所跡地」

杉「なっ何故それを……！」

江「そこに行けばある筈だ。君と被害者の足跡が。消しきれなかった血痕も」

杉「どうして……バレるはずないのに……」

箕「続きは職場で聞こう。お前にとっては……元職場のなるかも知れんが」

箕浦さんはトンと杉本さんの肩を叩き、手錠をはめた


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ー警察署前ー


先刻杉本さんを取調室で事情聴取した

話はこうだ




杉「撃つ心算は……なかったんです

彼女は政治家の汚職事件を追っていた

そこで予想外にもある大物議員の犯罪を示す証拠品を入手したようなのです

しかし議員も老獪、警察内のスパイを使って証拠を消そうとしたのです」

江「そのスパイが……君といわけだね」

杉「昔から警察官に憧れていました

試験に3度落ちて落ち込んでいる時男に声をかけられたのです

警察官になりたいかと……

議員の力で警官になり見返りに指示に従っていました」

箕「それでお前は議員の飼い犬として山際を殺したのか！？」

杉「ちっ違います！

私は彼女に警告を……このままでは消されるから証拠を手放せと！」


そこから杉本さんは山際さんとの出来事を話した


山際さんが杉本さんに最後に云った台詞を乱歩さんが云い当て杉本さんは証拠の品の在りかを喋った


A(ごめんなさい……か。山際さんは、どう思ってそんな台詞を云ったんだろう)


私は取調室の隣の部屋でそう思った


何故山際さんは死ぬ間際にごめんなさいと云い残したのだう


山際さんと杉本さんの間だからだろうか


きっとそうだろう、でも


……考えても死んだ人の考えなんて判るわけない


もし、杉本さんの事を考えてごめんなさいと云ったのならば



　

A「本当に優しい人だったんだな」ボソ


敦「？どうしたのAちゃん」

A「……何でもありませんよ」

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