20話 ページ21
人生で最後の昼。
洞窟に身を潜める私とカーズは身を寄せあっていた。
「なんで私、闇の一族として生まれてこなかったんだろう。」
最後だからと言って本音が漏れる。
「私が元々闇の一族として生まれていたら、まだお別れなんて来なかったのに。」
「カーズ、100年も皆と生きれるなんて十分すぎるよ。」
ほぼ百年前の今日。私はそんなことを言った気がした。
人間にとっての100年はとても長いものだが、闇の一族にとっての100年なんてたった一瞬だったのだ。
ずっと俯いて話を聞いていたカーズがやっと口を開く。
「もし、Aが闇の一族として生を受けていたならば、私はお前を一思いに切り裂いていたかもしれぬ。」
「Aが人間。いや、波紋戦士としてこの世に生まれたからこそ私はAと出会えた。」
カーズは私の腰を引き、力いっぱい包み込む。
私の頬を流れる涙の粒を、彼の手が拭う。
「私にはいい仲間がいる。」
「だが、心の底では何かがいつも足りておらんかった。私には仲間がいるのにだ。」
「だがA。お前と出会い私はその隙間がやっと。12万年生きて初めて埋まったように感じたのだ。」
「そんなお前を失うのが、今になって怖いのだ。」
私の肩に暖かい滴が流れる。
「カーズ、泣いてる？」
取り乱しているカーズを不意にも可愛いと思ってしまい、わざわざ泣いているか聞いてしまった。
「私が泣くわけないだろう。」
鼻をすするカーズを見ると、なぜだか少し気持ちが落ち着いた。
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アリア(プロフ) - 🧚匿名の妖精🧚さん» 凄く嬉しいお言葉ありがとうございます！励みになります泣 (2022年8月27日 1時) (
レス) id: f64b65ece4 (このIDを非表示/違反報告)
🧚匿名の妖精🧚 - 泣きました……今まで読んだ小説の中で１番感動しました… (2022年8月21日 18時) (レス) @page24 id: f6acac5c42 (このIDを非表示/違反報告)
アリア(プロフ) - 匿名初心者さん» わー！ありがとうございます!!頑張って書くので是非楽しんでください！！！！ (2022年6月29日 19時) (レス) id: b3bfab64d6 (このIDを非表示/違反報告)
匿名初心者 - 柱…求めてました……大好きです…ッ！ (2022年6月29日 14時) (レス) @page8 id: 8195809f5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アリア | 作成日時：2022年6月28日 22時
