清き月の華〖ハートの女王〗 (ページ4)

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第4話夢から目覚めと曲がり角での出会いページ4

はっきりと私を呼ぶ声が聞こえてハッと目が覚める。どうやら隣にいたユウさんが呼び掛けていてくれたらしい。

「あ……」

直後。前を見るとレイン先生がじっと見つめていた。

その無言の圧力はとても重かった。

ユウさんにノートを見せてもらい、なんとか空いてしまった所を埋める事ができた。

今度お礼にお菓子でも作って贈ろうかな？

ユウさんは何が好きなんだろう…

そんなことを考えて周りを見ていなかったことが災いしたのだろう。

道を曲がろうとした時、誰かとぶつかる。

幸いどちらも歩いていたとあって倒れることはなかった。

「ご、ごめんなさい！」

「ぼ、僕は大丈夫だから。そんな必死に謝らなくても……え？」

ぶつかってしまった相手を見ると、その人はとても美しい美貌を持ち、儚い雰囲気を纏っていた。
共学だったら同性と間違えてしまいそうだ。

「もしかして…君は入学でディソムニアになった女の子？」

一瞬、思考が停止したが、言葉から同学年だろうということを察して名前を名乗る。
すると彼も名乗ってくれた。

「僕はポムフィオーレのエペル・フェルミエ。君と同じ一年だよ」

ポムフィオーレと聞いては私は一人納得した。
彼は綺麗で可憐な雰囲気がありますし、選ばれる理由は十分にあると思ったからだ。

クラスを尋ねると彼はB組と答えた。

「入学したばかりだから他のクラスの人と関わるなんて出来ずにいたけど…まさかあの時の女の子と知り合えるなんて思ってもみなかったなぁ」

「私もです。それに学園では女子生徒は私だけとあって余計に馴染みづらくて」

「ああ…それは大変だね」

そんな具合に二人は話し合っていくうちに思いの外意気投合。そして会話は教室に着くまで続いた。