清き月の華〖ハートの女王〗 (ページ27)

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第27話リドルの想いページ27

話を聞いたリドルさんのお母様は大激怒。
許しを請うリドルさんだったが、更に厳しい管理をされることになった。

(こんなの…あまりにも……)

　

ルールを破れば

楽しい時間まで

取り上げられてしまう

だからお母様の決めたルールは

絶対に守らなきゃ

この街で一番優秀なお母様は

いつでも正しいはずだから

この話を聞いて、お母様の厳しい教育が今のリドルさんを造ったのだとわかった。

やがてリドルさんの声が、顔が、今にも泣きそうなものへと変わっていく。

　

でも……ねぇ、ママ。

何でだろう？

何故だかとっても、胸が苦しいんだ

お誕生日だけでいいから

いっぱいタルトが食べたい

　
お外でいっぱい遊びたい

もっといっぱい、お友達が欲しいよ

教えて、ママ

どんなルールに従えば

この苦しさは消えるの?

気がつけば私はリドルさんを抱き締めていた。

「どんなにルールに従っても、その苦しさは決して消えません。だけど………なくてはならかいではなく、なくたっていい。あったっていい。貴方が本当は何がしたかったのか。何がやりたかったのか。
無理にとは言いません。
少しずつ、貴方なりにやればいいです。
そうすればきっと…貴方はその苦しさから解放される」

私が言えたことではない。

彼とは何もかもが異なるというのに、愚かな言動だ。

だけど、それを聞いてリドルさんは幼い子供のように泣き出した。

「大丈夫…大丈夫ですよ」

私はリドルさんが泣き止むまで優しく背をさすった。

しばらくして、泣き止んだリドルさんから少し離れると手を差し出す。

　
「帰りましょう。トレイさん達が待っています」

「うん……」

リドルさんはゆっくりと私の手を握った。