恋じゃない…… * Kento.N

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『失礼しました。』









放課後、担当の先生に話をしに行ったら

別にしてもいいけど次はないからなって半分脅された。

正直今回は前に比べれば良かったものの、

風磨に比べたら断然悪いしむしろ真ん中らへんだし。









はぁ、やばいなぁ……








そう思いながら重たい足どりで昇降口に向かう。

そしたらやっぱり、待ってたみたいだ。









『風磨………………！』









ダルそうに下駄箱にもたれたまま、

ぼーっと外を見て待っている風磨がいた。









《なに、怒られた？笑》

『うーん、ちょっと笑』









ちょっとテンションの低い私にすぐ気づいて

バカにしたように笑いかけてくれる。

その姿はお昼の時とはまるで別人。









………………いや、昼が別人だっただけか。









《腹減ったー、早く帰ろーぜ。》

『たまには風磨が作ったら？』









やっだねー、っていいながら

まだ靴を履き終えない私を気にもとめることなく

先に歩き始めちゃった。









もう何年も同じだから

風磨の歩幅に合わせるのが私は当たり前になっていた。









…………………………あれ？









そういえば、中島くんの時はどうしてたっけ？

私が彼の歩幅に合わせてた？

彼が私の歩幅に合わせてた？









私の歩幅ってどんなもん？









風磨の歩幅が、私の歩幅？









《おーい、Aー？》









少し遠くから呼ぶ風磨の元へ、

いつも通り歩けばやっぱり少し早足で









うん、これは私の歩幅じゃない。









そう感じた。







じゃあ、中島くんと歩いてた時の歩幅は……？









北斗「好きな人といるとさ、時間が早く感じるけど

自分の行動は一緒にいたくてゆっくりになるんだよ？」









風磨との帰り道、

お昼に聞いた北斗くんの言葉が永遠とループしていた。









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