恋じゃない…… * Kento.N

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そして、一週間たった今。









『いらっしゃいませー！』









やっとの事で時給と場所が好条件なバイト先を見つけた。

家から徒歩で10分もかからなくて、

前にバイトしてた所とシステムが似てるから

だいぶ仕事になれるのがはやかった。

だから特に先輩がつく事もなく

ただのんびり一人でお仕事中。









店長「菊池さん、ちょっといいかな？」







『あ、はい……？』









人も少なくなってきた頃、

店長に呼ばれてバックヤードへ。

聞けばまだ紹介してなかった先輩がいたそうで……









店長「同じ高校だし同学年だからなかよくしてね笑」









そういって開かれた扉の先には

バイトの制服をだいぶ着慣れた中島くんがいた。









店長「なに、2人知り合いなの？」









お互い驚きあう私達に更に驚く店長。









『あ、はい……』

「友達、ですね……」









友達………………



その言葉を聞いた瞬間心の中がなぜかもやっとした。









店長「そっか、なら説明いらないね。」









そういって店長はすぐにいなくなって2人きり。









「これからよろしくね、Aちゃん！」









元気いっぱいに、しかも優しい笑顔で

このもやもやした感情に笑いかける。









その瞬間、もやもやが一瞬で消えて









『よろしくね、中島くん……!!』









すごく、すごく楽しくって嬉しくって

もやもやじゃなくてどきどきしはじめた。




その後も中島くんが笑う度にどきどきが止まらない。









「ねぇ、大丈夫？」









あまりにもどきどきしすぎて、

顔を見ないように目線を下に向けてたら

いきなり中島くんの顔が目の前に。









「顔赤いよ、疲れちゃった？」









そう言って、段々頭に伸びてくる彼の大きな手。

その手が近づく度にどきどきして、苦しくて……









そして、その手が触れた瞬間。









ぎゅって胸が締め付けられて、

どきって胸が高鳴って、

2人だけの空間になった感じがして、









「熱は無いみたいだけど……」









反射的に瞑っていた目を開けて

中島くんを視界いっぱいにとらえた瞬間、









これが、好き………？









そう思うほど、苦しくて苦しくて仕方がなくなった。









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