ヤンキー ページ10
A「協力してほしいって、何を?」
私が尋ねると若武くんは、また自慢気な顔で言った。
若武「俺らを襲った連中を突き止めて欲しい!そんでKZ全員で攻めに行くんだ。もちろん、お前もな」
若武くんが言った言葉に、私はガックリとなった。
だって、さっき私がしようとしてたことを言っただけだったんだもの。
それに、また喧嘩しようとしてるし・・・まぁ、やられたらやり返すことに反対はしないけど。
ガックリとしている私に黒木くんが言った。
黒木「まぁ、そんなガックリしないでよ。若武先生は、いつもこんな感じだからさ。何でも自分が納得行くまでやらないと気が済まないんだ。協力してやってくれない?って言っても、協力せざるを得ないと思うんだけどさ」
ふぅん、若武くんっていつもこんな感じなんだね。
協力せざるを得ないなら仕方ない。
そう思って私はスマホのメール画面を閉じ、仲間に電話をかけることにした。
A「わかった。今から仲間に連絡取るから待ってて」
そう言ってスマホに耳を当てる。
しばらくコールが鳴った後、若い男の声が聞こえた。
『もしもしー?A?どうしたんだ、こんな時間に』
A「あ。急にごめんね。ちょっと気になることがあって・・・」
私は男に今まであった事を全て話した。
私の話し相手の男は、他の不良グループにボコボコにされてたところを助けた奴。
名前は「陣」と書いて「ジン」と読む。
助けて以来、私をすっかり信用して、頼んだことは何でもしてくれた。
男は今まであった事を話すと、激しく怒った。
『マジかよ・・・。Aに手ェ出すとか舐めすぎじゃね?わかった。とっちめてやればいいんだな?』
今からでも喧嘩しに行きそうな勢いだったので、私は止めた。
A「大丈夫!私がやるから。私も不良グループについて他の奴にも聞いてみるから、陣たちの人脈使って探してくれないかな」
私がそう言うと陣は渋々、納得して電話をきってくれた。
電話する様子を見ていた若武くんたちが、私を見てニヤッと笑った。
すると、若武くんが言った。
若武「やっぱお前、黒木が睨んだ通りヤンキーだったんだな!」
へぇ!?
いきなりの展開に私は驚いた。
黒木くんが口を開く。
黒木「さっき戦った時、喧嘩するの初めてじゃなさそうだったし。むしろ慣れてたからね。あんな冷静に対処出来る奴って、ヤンキーか元ヤンだろ?つまり、俺たちはお前を試したんだ。ヤンキーって認めるか認めないかをね」
そしてニコッと笑った。
その笑みは少し怖く見えた。
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こはる(プロフ) - 吹雪姫さん» 頑張ります! (2019年6月11日 9時) (レス) id: 8ad13e5dce (このIDを非表示/違反報告)
吹雪姫 - 頑張ってください! (2019年6月10日 21時) (レス) id: c4455a25af (このIDを非表示/違反報告)
こはる(プロフ) - 仮名杜竜桜さん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年3月12日 0時) (レス) id: ad15b439ce (このIDを非表示/違反報告)
仮名杜竜桜(プロフ) - とっても面白いです。主人公ちゃんにはアーヤと友達になって守ってほしいです。更新頑張って下さい! (2019年3月11日 17時) (レス) id: e23b833ecf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こはる | 作成日時:2019年3月10日 15時