バレンタインは知っている【探偵チームKZ事件ノート】 (ページ12)

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本当の友達ページ12

A「何で、そんなに嬉しそうなの？普通、軽蔑しない？」

私がそう言うと、若武くんはキョトンという顔をして言った。

若武「俺はそんなことしねぇぞ。友達付き合いとか人、それぞれだろ？俺も色んな友達いるぜ」

その言葉に、私は泣きそうになってしまった。

他のみんなには何ともない言葉だと思うけど、私にとっては心を柔らかく包み込んでくれるような暖かさを感じた。

若武くん、もしかしたら、私の本当の友達になれるかも。

私は泣きそうになるのを堪えて言った。

A「ありがとう。私、探偵チームKZの役に立てるよう、頑張るね」

そう言って交渉は成立し、私たちは解散した。

帰る時、黒木くんは私を家まで送ってくれた。

秀明のことや若武くんたちにこと、探偵チームKZの事をたくさん教えてくれた上に、私に「俺たちと修羅場を潜り抜けたんだから、もう友達だよ」とも言ってくれた。

今日1日、たくさんのことが起こりすぎて、まるで夢みたいだったけど、何だかすごくワクワクした。

今日から私・・・探偵だ。

＊＊＊

1日経って、私は黒木くんと一緒にカフェテリアに向かった。

1時的にだけど、探偵チームKZの1員として呼び出されたんだ。

黒木くんと一緒に行っている途中、周りからヒソヒソ言われたけど気にしない。

カフェテリアに着くと、既に若武くんと小塚くん、上杉くんがいた。

しばらくしてから、ノートを持った立花さんが来た。

昨日、黒木くんから聞いたけど、立花さんは記録係でノートをまとめるのも上手だし字も綺麗だから、KZにとってかけがえのない存在なんだって。

立花さんは黒木くんと若武くんの顔を見るや否やギョッという顔をした。

立花「皆、無事だって言ってたじゃないの」

立花さんがそう言うと、若武くんと黒木くんが顔を見合わせた。

若武「無事だよな」

黒木「ん」

そして上杉くんが肩をすくめる。

上杉「このくらいだったら、無事の範囲だろ」

上杉くんの言葉を聞いた立花さんは、少し呆れながら椅子に座った。

そして私とパッチリ目が合い、「なんでいるの！？」と言わんばかりの顔をした。

その顔が少し面白くて、私はクスッと笑ってから言った。

A「昨日、色々あって、臨時だけど調査に参加することになったの。改めて、よろしくね」

私がそう言うと、隣に座っていた若武くんが割って入って言った。