51輪ーお館様ー ページ12
必死になって訴えていると、横から声が聞こえた。白髪に全身傷を負っている男。左手には、見覚えのある木箱がある。
「鬼を連れてた馬鹿隊員は、そいつかいィ?」
そう言いながら、男はゆっくりと右手を刀の方へ持っていく。
「鬼が何だって?坊主ゥ…。鬼殺隊として人を守るために戦えるゥ?そんなことはなァ、ありえねぇんだよ馬鹿がァ!!」
そう言って、思い切り刀を木箱に刺した。貫通している。やがて、箱の中からボタボタと血が垂れてきた。一気に頭に血が上り、無意識に口と足が動く。
「俺の妹を傷つける奴は、柱だろうが何だろうが許さない!!」
俺は、男に頭突きを喰らわした。両手を拘束されていたから、それしか出来なかったんだ。そのまま、男から木箱を奪って、背中に隠す。
「善良な鬼と悪い鬼の区別もつかないなら、柱なんて辞めてしまえ!!」
ほんの一瞬だけ、傷だらけの顔が歪んで見えた。直後、小さな子の声が、全員の耳に入る。
「___お館様の、お成りです」
二人の少女に手を引かれながらやって来た男。病気なのか、目から上は紫色の痣が出来ていた。
「お早う皆。今日はとてもいい天気だね。顔ぶれが変わらずに半年に一度の "柱合会議" を迎えられたこと、嬉しく思うよ」
ふわふわと気分が浮ついてしまうような優しい声音を、俺は白い髪の男に押さえつけられながら聞く。
「お館様におかれましても
先程の汚い言葉遣いとは、打って変わり、綺麗な敬語を使っている。目つきも違うし、さっきまでとは別人のようだ。知性も理性も全く無さそうだったのに………。
「
「そうだね。驚かせてしまってすまなかった。炭治郎と禰豆子のことは私が容認していた。皆にも認めてほしいと思っている」
「!!」
お館様の見解に柱たちは動揺の色を隠せていなかった。
135人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こはる(プロフ) - 麗さん» すみません!誤字っていました。ご指摘ありがとうございます! (2020年10月24日 22時) (レス) id: bf0c61a923 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 忍は平仮名でしのぶではないでしょうか? (2020年10月24日 20時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
こはる(プロフ) - shiroさん» ありがとうございます! (2020年9月26日 15時) (レス) id: bf0c61a923 (このIDを非表示/違反報告)
こはる(プロフ) - アルデさん» 返信が遅れてしまい申し訳ありません。そんなに読んでくださってるなんて嬉しいです!!励みになります! (2020年9月26日 15時) (レス) id: bf0c61a923 (このIDを非表示/違反報告)
shiro(プロフ) - コロナで大変ですが、勉強頑張って下さい!更新楽しみにしてます! (2020年8月8日 15時) (レス) id: ec5b8a1d5e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:こはる | 作成日時:2020年3月12日 23時