眷属器 ページ12
A「私はいいです。似合わないので」
そう言うと、フィーロがタタッと駆けてきて、私にギュッと抱きついた。
フィーロ「何でー?フィーロ、似合うと思う」
上目遣いをするフィーロの頭を黙って撫でる。
私はラフタリアさんやフィーロと違って、可愛いくないから、アクセサリーは似合わない。
つけていたら、周りの人たちに笑われそうだわ。
すると、尚文様は眉間にシワを寄せた。
尚文「似合う似合わないは関係ない。自分が欲しいと思うアクセサリーを言え」
A「すみません。私はファナリスなので、戦闘時は激しく、アクセサリーを身につけると破損する恐れが・・・」
尚文「命令だ」
命令といわれて、私の胸元に刻んである奴 隷紋が紫色に光る。
命令・・・か・・・。
だったら、答えるしかないわね。
身につけていて、邪魔にならないかつ破損しにくいもの・・・。
思いついたものは1つしかなかった。
私は口を開く。
A「枷がいいです」
尚文「枷っ!?」
尚文様は目を見開き、ラフタリアさんは困惑の表情を浮かべる。
尚文「枷など作らん。俺はアクセサリーを作ると言ったんだ」
A「枷がいいです」
真顔で言うと、尚文様は口をつぐんだ。
私はファナリスの本を引っ張り出して、パラパラとページをめくる。
A「枷って、悪いイメージがありますけど、そうでもないんです」
私は挿絵が描かれているページに指をさし、尚文様達に見せた。
その絵は、私と同じファナリスであり、物語の主要人物である「モルジアナ」が敵である「アル・サーメン」と戦っている場面。
A「この女性は、モルジアナという、私と同じファナリスです。ファナリスなので、身体は強かったですが、「眷属器」という武器を身につけていたんです。眷属器について、話すと少々時間がかかるので省きますが、その武器は手 枷だったんです」
尚文様達はマジマジと挿絵を見た。
尚文「確かに、そう見えるが・・・」
ラフタリア「この手 枷、綺麗な模様が描かれてますね。この真ん中の部分は・・・赤い宝石でしょうか?」
フィーロ「Aと似てるー!」
尚文「・・・で、俺にこれを作れと?」
A「はい」
私は尚文様達の目を真っ直ぐに見て言った。
A「私、もっともっと強くなりたいです。尚文様達の役に立ちたいです」
尚文様達は目を輝かせる。
尚文「・・・分かった。作ろう」
やったわ!
こうしてその日は日が暮れるまで草原でゆっくりと遊び、私達は波に備えて早めに宿に戻ったのだった。
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ましろ(プロフ) - あともし良かったら、夢主ちゃんと練くんが告白してから結婚するまでのお話を書いてくれたら嬉しいです! (2022年9月30日 4時) (レス) id: c2ca67a91e (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - 最初から最後まで最高でした!練くんと松岡さんが大好きだし練くんの夢小説って全然無いからこの作品を作ってくれてありがとうございます! (2022年9月30日 4時) (レス) id: c2ca67a91e (このIDを非表示/違反報告)
こはる(プロフ) - 紅葉さん» わあ!ありがとうございます!2日に1回っ!?この小説は毎週金曜日に更新なので、そんなに見にこなくても大丈夫ですよっ!すごく嬉しいですけど笑笑 (2019年5月31日 19時) (レス) id: 94ad7ccae9 (このIDを非表示/違反報告)
こはる(プロフ) - 華鈴さん» ありがとうございます!更新、頑張りますねっ! (2019年5月31日 19時) (レス) id: 94ad7ccae9 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉 - ずっと始まったときからこのお話が大好きです!2日に一回は必ず覗きに来てます!これからも頑張ってください!応援してます! (2019年5月27日 0時) (レス) id: 11c5b4fadd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こはる | 作成日時:2019年5月24日 19時