1話 ページ1
……ここはどこだろう
何もない真っ白な空間に少女は立っていた。
唯一映る色は自分の肌の色のみ
もう自分がどのくらいここにいるのか、少女自身もわからなくなっていた
1日かもしれないし、1年かもしれない。はたまたたった数時間かもしれない。
確かめようにも時間を確認するすべがない
ただ一つだけ、少女ははっきり言えることがあった
「………飽きた」
この場所がとっても退屈である事だった
何もない白い空間にボーっといるのは彼女にとっては耐えられなくて
かと言って動いていても1人は虚しいだけ
「……はぁ……」
何の音もない空間に少女のため息が溢れる。
もう何度ため息をついただろうか
これが夢と言う事は彼女も気がついていた。
当然だろう。現実にこんな空間があってたまるか
問題はその夢がいつまでたっても覚めない事
大声をあげたりつねってみたり頬を叩いてみたりと思いつく限りの方法を試してきた
だがどれも効果はなく覚める気配はなかった
夢ならさっさと覚めやがれこんちきしょうと思いながらその場に大の字に寝転んだ
見上てもやはり景色は変わる事なく真っ白
「………アイツと、同じ色」
目を閉じれば先ほどとは変わり黒い世界
その中で思い浮かべるのは白い髪の少年
幼い頃からずっと一緒だった。
家が近いのもあってかずっとずっと一緒で……
喧嘩もたくさんしたけれどその分楽しかった思い出の方が大きかった。
あの少年は今頃どうしているだろう。
元気にしているだろうか
ちゃんと三食食べているだろうか
私が起きなくて、泣いていないだろうか
そんな事を思った少女はさすがにそれは自意識過剰かと鼻で笑いながら呟く。
家族でも親戚でもなく会いたいと願ったのは……
「会いたいよ……ーー」
声に出さずに少年の名前を呼べばそっと目を開ける。
開けると同時に一粒こぼれ落ちる涙
ああ、自分は寂しかったのかと少女が思うと同時にﾊﾟｷｯと小さい音がした
急いで起き上がると今まで何もなかった足元にヒビが入っていた。
そのヒビはだんだんと大きくなり氷が割れるようにだんだんと欠片が落ちていく
その先にあったのは……漆黒
飲み込まれてしまいそうなくらいの漆黒はこの世界に入った唯一の異変
確証なんてなかった。
戻れる保証もなかった。
「………っ！」
それでも、少女は飛び込んだ
ただ、元の何もない日々に戻れると信じて
そして全身が漆黒に飲まれると同時に少女は意識を失った
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ウル(プロフ) - 夢主のツッコミが面白かったです（笑）更新楽しみに待ってます♪頑張ってください( ´ ▽ ` )ﾉ (2016年2月28日 6時) (
レス) id: 75f8ff5602 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - とても面白いです！やっぱり白蘭良いですね！更新楽しみに待ってます♪ (2015年6月25日 6時) (レス) id: 41fdcc7681 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琥珀&ゆうだい x他1人 | 作成日時：2015年4月25日 19時
