バーチャルワールド【闇館】～脱出ホラー～ (ページ1)

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「おい....達也........。なんかやることねぇか？」

強い日射が俺らの身体に突き刺さる。

そんな暑さより、俺はいまのこの退屈な状況にイライラしていた。

「全く........。じゃあ、何で俺についてきたんだよ....。」

「しょうがねーだろ。家にいたら暇すぎて死んじまうし。」

「そんな死に方があるんだったらぜひ、見てみたいね。」

俺たちは、達也が参考書を買いたいという話になったから本屋に行った、その帰りだ。

「なんで、こんな休みの日まで勉強したい。という気になるかねぇ....。」

「そんなんだからテストでも平均的いかないんだよ....。」

「赤点じゃないだけマシだろ？」

俺がドヤ顔で言うと、達也は困ったような顔をして何も言わなくなった。

ったく....お前はいいよなぁ。小学生のころから勉強できて、テストではほぼ百点だろ？

だが実際俺はいまの自分の頭に満足しているし
運動のことならあいつには絶対勝てるという自信がある。

「こんな正反対の性格なのに、なんで俺と君は小さいころから仲が良いのか.....。」

達也がため息まじりに呟いた。

「まあ、幼馴染の腐れの縁だろうな。お前は俺といると楽しくないのか？」

よく小さいころにこんな質問をお互いにして仲の良さを確かめ合っていた。

「そんなわけないだろ？楽しくないなら君を本屋になんか誘わないよ。」

達也は毎回、当たり前だろ？と言うような感じで俺の言葉を返す。

それがまた嬉しかったりイラついたり........。

それから俺らは無言になった。

何も喋らなくてもお互いがそばにいるとわかるだけでもそれが楽しかった。

「あれ？」

「ん？どうした？」

しばらくあるいた所で達也は急に足を止め、とあるゲーセンを指差した。

「あそこにいるの夏木と花香じゃないか？」

「んー？どれどれ？」

確かにゲーセンの前にはそれらしき女子の姿があるようなないような........

「....視力落ちた！？まさかな....」

「とにかく、行ってみようか！」

「えっ！？」

俺の返事を聞く前に達也は走り出した。

会って何の意味があるんだか....。

一つため息を着いてから俺も達也の後に続いた。

『新感覚のゲーム！貴方もゲームの世界にいきませんか？』

そんな宣伝をしている旗が風にゆられてパタパタと揺れた。