好き30 ページ32
「……随分気に入られやしたね」
部屋から出てきたオーバーホールに声をかける
大体の話は聞いていた
お嬢はまだ餓鬼のくせ、背負っているものが大きい
「………あァ」
厄介な話に首を突っ込むなんて、
オーバーホールにしては珍しい
それほど、お嬢の事を気に入っているんだろう
「でも、本当にいいんですかい？
もし、巻き込むような事になってしまえば……」
「そうならない為に尽くすのがお前だ」
あくまでもお嬢を巻き込まないように動くのか
そこは彼らしい
「………お嬢はオーバーホールの何を知ってるんです？」
ふと、疑問に思って問いかける
お嬢はまだまだ理解していない
15の子供らしいあどけない顔……
そんなもの、この場に必要ない
美少女って訳でもない
スタイルがいいわけでもない
ごくごくどこにでもいるような餓鬼
どこがいいのかわからない
礼儀正しい事だけが取り柄のようなものだ
向こうは何を知ってる？
「俺が潔癖症な事、ここの組の頭だと言うこと、それから……」
「(全然知らねえじゃねーか)」
口に出してしまいそうになったのを必死に堪える
そして、オーバーホールは静かに言った
「初対面じゃ、ないということだ」
「本当ですか？一体どこで？」
すると、オーバーホールは目を細め、
「……さぁな。忘れた」
と、嘘を吐いた
「………」
別に、それをどうこうするつもりはない
だから私は、何も言わなかった
「向こうもそれはわかっている」
「お嬢はどことなくあなたと似てやすね」
「似てる……か。少し違うな。
全く同じなんだ」
「オーバーホールは本当にお嬢が好きなんですね」
嬉しそうな顔をしている
こんな彼を見るのは初めてだ
「……だったらなんだ？」
今度は冷たい視線を向けられる
それでも私は続けた
「変ですね、あなたがあんな娘に落とされちまうなんて」
「落とされた……か」
「違いやすか？｣
オーバーホールを追い込んでいく
彼は少しの間考え込み、
出した答えが
「………病気にかかったんだ」
何とも彼らしくない
「……恋の病、つーもんスかね」
「なら、一生治らないな。困った」
全く困ってなどいない
自分で自分を
病に陥れたのだから
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星無優凍(プロフ) - にゃんこＭさん» 本当ですか！！？？めちゃくちゃ嬉しいです！ありがとうございます。これからも頑張ります！ (2019年12月9日 19時) (
レス) id: 4137a2b23b (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこＭ - オーバーホールかっこいい！！このお話好きです。頑張ってください (2019年12月9日 17時) (レス) id: 5f9b6ccd05 (このIDを非表示/違反報告)
星無優凍(プロフ) - ちつかさん» ありがとうございます!たいへん嬉しいです！ (2018年12月17日 18時) (レス) id: 2dc8ad8af7 (このIDを非表示/違反報告)
ちつか - いいですね~ (2018年12月16日 18時) (レス) id: c864c21ee8 (このIDを非表示/違反報告)
星無優凍(プロフ) - まっちゃオレさん» なんですかとつくぐらい喜んで頂けて嬉しいです！オーバーホール格好よくできてますか！よかったです！更新なるべく毎日頑張るようにしてますが、難しい時もあるので、そこはご了承下さいませ。頑張りますね！ (2018年2月7日 19時) (レス) id: 2dc8ad8af7 (このIDを非表示/違反報告)
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