story1830 ページ30
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｢病院のｺﾞﾊﾝ...美味しくなかったw」
ﾍﾟﾛｯと舌を出して｢ﾆﾝｼﾞﾝの煮物は地獄w」ってｸｽｸｽ。
｢全部残しちゃったー。」って笑う。
．
ｵﾚの時もﾏｽﾞかった。
あの時はAのお弁当がすっげー美味かった♪
…あ。
何故か松本さんが来てくれたっけ…
.
増田｢誰かお見舞いに来てくれた？」
A｢あ…うん。有香と祐也くんと、ｼｹﾞくんと…大貴」
.
増田｢…松本さんは？」
A｢……。」
増田｢ん？」
A｢…有香と一緒に来てくれた」
…変な間。
隠そうとしたのか…？
増田｢お父さんとお母さん、めっちゃ心配しただろ」
A｢うん。」
増田｢お父さんなんかきっと…」
A｢ね。…私片付けがまだ出来てないよ？」
.
Aはｷｯﾁﾝを指差し｢…すぐ終わるからｷﾚｲにしてくるね？」って立ち上がった
．
そんなの別に後でいいのに。
でもAはｶﾁｬｶﾁｬと片付け始める。
.
やっぱり何故か違和感を感じる。
でもきっとそれを問いただしてもAは言わない気がして…
ｵﾚは立ち上がりｱｲｽｺ-ﾋ-を飲もうと冷蔵庫を開けた
．
冷蔵庫の中に。
ｷﾚｲに並べられたたくさんの餃子。
見た感じ…50個くらいはあるんじゃね？
振り返ると、後片付けをしてるA…。
1人、餃子作ってたのか。
ｵﾚが帰ってくると思って。
…。
前に…Aがｵﾚの家から出ていった時も
冷蔵庫にはこうして餃子が並べられていた。
卒業旅行に行くって嘘をついて。
Aは1人…ここで餃子を作っていた。
その気持ちを想ったらたまらなく苦しくて、手越の前で号泣した
.
あの時…
Aが出ていったってことが信じられなくて
不安で不安でたまらなかった。
あんな思いはもうしたくない
A｢貴久？」
増田｢…餃子…」
A｢ん？」
増田｢餃子食べる」
A｢え？今から？」
増田｢夜ご飯食べてねーんだろ？」
｢あはは…w今からじゃ…胃に持たれるよw」って
Aはｵﾚに背中を向けた。
．
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作者名：Milk-T
| 作成日時：2017年11月30日 20時
