交際を前提に友達になりました【桃】

36 ページ36

「Aさん、顔バレしてるんですか？」

「あ、るぅとはAのことあんまり知らないよな
Twitterでライラって検索してみ」

「ライラですね」


隣でスマホをいじるるぅとくん

私はそれを気にしないようにMIXを進める


「かっこいい！
これとか、構図まで完璧じゃないですか」

「あ、これお昼に撮ったやつじゃない？
ね？
Aちゃん」

「えー…」


私はMIXの手を止めて、るぅとくんのスマホを覗き込んだ

そこに写っていたのは、なーくんから逃げようとした時に声をかけられた写真だった

ふと、時計を見ると既に7時を回ってる

さっき投稿されたやつみたいで、ちゃんと夜って言うのを守ってくれたんだなって嬉しくなる


「そうだね
…一緒に撮るの拒否られたやつだ
なんか、丁寧に加工されてる」

「加工ってちょっとフィルターかけられてるだけじゃん」

「さとちゃん、スマホとって？」

「スマホってどこ？」

「さっきカバンにしまったぁ」

「なんで！？」

「え、音確認終わったら用ないから」

「今、用あるんじゃないの？」

「写真をいいねしようかと」

「いいね？」

「そう
今まではやってなかったんだけど、ちゃんと約束を守ってくれた人の写真はいいねするようにしてるの」

「なるほどな
カバン漁っていいの？」

「いーよ」


後ろでゴソゴソし始めた


「あ、あったわ
投げていい？」

「やめて？」

「ww
ほい
Aって喫煙者なのな」


スマホを受け取る時にそう言われた

多分、カバンに入ってたタバコを見たんだろう

別に隠してないからいいんだけど…


「そうだよ？」

「うちは禁煙です」

「そこまで吸わないから安心してw
たまーに、考えを中断したい時に吸うだけだから」

「考えを中断したい時？」

「そ、考えすぎると、数日人との接触をシャットダウンしちゃう性格だから、ある程度で辞めれるようにしてるの」

「そっか
でも、吸いすぎ注意！」

「はーい」


スマホでライラって検索して、出てきた写真を今日撮った2ついいねする

気づかないだけでまだ盗撮されてるみたいだ


「ライラ様、カッコよすぎ！」

「会えたなんて羨ましすぎる！」

「尊い…」

「何！？
え？」

「いや、リプ欄読み上げ？」

「やめて！？」

「これさ、ライラ様でもエゴサしたらもっと出てくるんじゃ…」

「あ、本当だ
イラストもあるよ」

「…本人の知らないところで名前だけがひとり歩きしていく…」

「…」


なーくんが何か考え事をしてるみたいだ

37→←35

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す