依存相手に選ばれました.8【紫】

360.桃君の彼女 ページ10

9月5日

私はリハーサル会場に遅刻せずに余裕で着く時間に、寝坊予定のさとみくんを迎えに来ていた

エントランスのインターホンを押して少し待ってると、予定だけのはずが本気で寝起き声で応答があった


桃『わりぃ…今起きたわ
上まで来て…』


そう言って、オートロックを開けてくれたので私は初めてさとみくんの部屋に向かった

いつもはエントランス、もしくは電話対応の後、車まで来てくれる


部屋前でもう一度インターホンを押すと、空いてるから入ってきてって言われた


「…お邪魔します…」


初めて来る家なので、造りがわからない

突き当たりの部屋がリビングなのだろうか…


桃「いらっしゃい
悪いけど、リビングで待ってて
正面の部屋ね！」


一応、焦ってくれてるのか私にそう一言いってリビングでは無い部屋に戻って行った

玄関から入って突き当たりの部屋に入ると、何度か実写動画で写った豪華な電気の部屋が目の前に広がっていた

…すとぷりメンバーの家ってなんでこうも広くて立派なんだろうか…

特にこだわりの強いさとみくんの部屋は、高級ホテルにでも来たかのような緊張感を感じてしまう


立ってるのもおかしいので、そばにあった椅子に座らせてもらった

どれくらいそうしてたか分からないが、ガチャっと後ろのドアが開く音がした

さとみくんかな、なんて考えて後ろを振り向くとそこには初めて見る綺麗な女性がいた


誰！？


？「…浮気相手？」

「え？」

？「先輩！
どういうことですか！？」


女性は私と目が合うと直ぐにどこかに行ってしまった

少しして、戻ってきた女性は声を荒らげてさとみくんに食ってかかっていた


桃「だから、落ち着けって！」

？「会わせたい人がいるって、浮気相手のこと！？
なんなの！？
こいつと付き合うから私と別れるとでも言うつもり！？」

桃「そうじゃないって！
そもそも浮気なんてしてねぇーよ！」

？「じゃあ誰なの！？
女を部屋にあげるなんて有り得ないんだけど！？」

桃「お前がいなかったらAちゃんでも1人では部屋にあげないから
…いや、Aちゃんならあげるかも」

？「はぁ！？」


…果たして、目の前で繰り広げられるこの痴話喧嘩はどうしたものか…

ここまで来たらもうお分かりだろう

私も今気づいた

9月に戻ってくるって言っていたさとみくんの彼女だ


桃s「で、誰なわけ！？
先輩とどういう関係！？」


その問いは難しい…

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