依存相手に選ばれました.8【紫】

398.短編3 ページ48

入院から1週間

そろそろ抜糸かなって先生に言われた

ちなみに、目を覚ました直後に部屋を抜け出した私は要注意人物なのか、看護師さんの見回りが他より多い気がする


紫「抜糸したらそろそろ退院出来るかな？」

「そうだね」


忙しいだろうなーくんは、それでも時間を作って会いに来てくれた

病室で仕事をするような日もあるけど、ほとんどの時間を私と話すのに使ってくれる


「ところで、ちゃんと寝れてる？」

紫「ん…あんまり？」


隠すと私が怒るので正直に少し申し訳なさそうにそう言った


「おいで」


点滴の外れた私が両手を広げると、なーくんは少し戸惑いながらもギュッてした


「ほらほら、ベッド入って」

紫「いや…それはさすがに…」

「私は寝ないから、なーくんだけね」

紫「ベッドは…」

「早く早く」


抱き締めたままベッドにグググッと引っ張ると、私の傷口を気にしたなーくんが慌てたようにベッドに乗った


「靴脱いで〜」


ポイポイと靴を脱がせて、強引にベッドに寝かせた


紫「いいのかなぁ…」


不安そうにしてたけど、優しくトントンってすると直ぐにウトウトし始めた


「おやすみ」

紫「ん…」


そのまますぐに寝息が聞こえた


なーくんが持ってきてくれた本を読んでると子供組がお見舞いに来てくれた


赤「ありゃ…」

黄「なーくんがお休み中ですか」

「はい」

青「僕たちが来ても寝てるなんて、相当疲れてるんだね」

赤「抱き枕がないからあんまり寝れてないんじゃない？」

「抱き枕云々は置いておいて、あまり寝れてないみたいです」

黄「じゃあ、フルーツ持ってきたんでなーくんと食べてください
僕達は帰ります」

赤「そうだね
あんまり長居するとなーくん起きちゃうだろうし」

「…帰っちゃうんですか？」

青「Aちゃんが僕たちにそんなこと言うなんて珍しいね」

黄「なにか用事あります？」

「いや…寝てる人って暖かいんですよね」

赤「眠くなっちゃった？」

「眠くなっちゃいました…w」

黄「さすがに寝る訳にはいかないですからねw」

青「せっかく来たんだし、少し話していく？」

赤「そうしようか」

「ありがとうございます
あ、それなら…」


お見舞いに来てくれた人が買ってきてくれるお菓子やお茶を出そうとベッドから立とうとしたら莉犬くんに肩を抑えられた


赤「俺たちがやるからAちゃんは大人しくしてて」

青「けが人は大人しく！」


午後2時過ぎ

子供組とちょっと早いティータイムを過ごした

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