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ななもり。side
桃「何があったか聞かせて」
さっきよりも少し落ち着いた俺にやさしい声でそう問いかけたさとみくん
こういう時は、年長のお兄ちゃんになるからつい頼ってしまう
紫「…俺、も状況はよく理解…してなくて」
俺はあまり思い出したくないその時の状況を知ってる範囲で話した
_____________
自動ドアを出たとき、Aが何かを気にしたそぶりを見せた
もしかしたらAの危機感に何かが引っ掛かったのかもしれない
紫「どうしたの?」
俺の問いかけに俺の顔を見て、笑ったAはすぐに表情を変えた
「あ…うんん、なんでもな…なーくん危ない!!!」
俺がAの視線を追ってそっちを向くよりも早くAが俺を庇うように立った
そのすぐそばには、黒いパーカーの男がいた
俺がびっくりしてる間にAが俺のほうに倒れてきた
紫「A!!」
「…な、くん大丈夫?」
紫「自分の心配して!
す、すぐに救急車っ!」
力なく目を開けたAの口から発せられたのは、俺を心配する言葉だった
こんな時まで俺を心配する彼女に、彼女らしさを感じつつも自分の心配をしないAと守れなかった自分に少しイラっとしてしまった
スマホで救急車を呼ぼうにも手が震えて上手く操作ができない
あたふたしてるうちにそばにいた人が救急車と警察に連絡してくれた
そこからの記憶はあまりなくて、救急車の中でひたすらAに声を掛け続けた
_____________
桃「そっか」
紫「…狙われたの、俺だったんだ
Aは俺を庇って刺されたんだ」
桃「Aちゃんのストーカーならなーくんが狙われてもおかしくはないな」
さとみくんに話したら、自分の状況を整理することができた
少し落ち着いた俺は再び手術室の前に戻った
桃「みんなに連絡してくるからね」
紫「ごめん…」
桃「こういう時くらい頼ってよ、リーダー」
ちょっとふざけたように言うさとみくんのそういうところにいつも救われている
…まぁ、言ってあげないけど
紫「頼ってるよ
ありがと」
俺がそう返すと満足そうに微笑んでさとみくんは離れていった
20分ほどで戻ってきたさとみくんは俺に服を差し出してきた
桃「そんな本物のな組みたいな恰好じゃ困るでしょ
車にあった俺のジャージだけど、よかったら着て」
紫「ありがと」
桃「あ、ちゃんと洗ってあるから安心して」
紫「心配してないよ」
そう笑って、俺は着替えに行った
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るりあ(プロフ) - 更新ありがとうございます(*´꒳`*)何回一から読み直しても飽きない最高の作品です^ - ^ (2022年3月7日 2時) (レス) @page47 id: 965d6c4948 (このIDを非表示/違反報告)
るりあ(プロフ) - ほんっとうに世界観にぐっと引き込まれます。。。めちゃくちゃに続きが気になります(*´꒳`*)更新お疲れ様です!またの更新楽しみにしてます! (2022年3月7日 1時) (レス) @page46 id: 965d6c4948 (このIDを非表示/違反報告)
氷雪利(プロフ) - 仙斗って人が仕向けたのかな? (2022年2月28日 13時) (レス) @page40 id: 97d3b05e39 (このIDを非表示/違反報告)
氷雪利(プロフ) - 騎士になれって言ったのは誰なのか……。夢主ちゃんかなーくんに被害が行くように仕向けたとしか考えられないのって私だけ? (2022年2月28日 13時) (レス) @page46 id: 97d3b05e39 (このIDを非表示/違反報告)
ももの。(プロフ) - みかん。さん» それなです…ヤバい…めっちゃ続きが気になる… (2022年2月27日 15時) (レス) @page35 id: e3acabb542 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:心葉 | 作成日時:2021年11月24日 19時