タイトル ページ1
「……って思ってよ、急いたんだけど……」
遅かったみたいだな、とロナルドが言う前に「遅いわ!!」という絶叫が言葉を遮った。
遮ったのは、掃除機ーー否、掃除機の中に入っている灰。
その灰こそが、彼が珍しく
掃除機のゴミが溜まった部位から、灰になっているドラルクをひっくり返して、取り出しながら、ロナルドは隣部屋から、こちらの部屋に近づく足音を聞いた。
ギシ、と床が軋む。
ギラリと包丁が光る。
ホラーゲームばりの演出に、ドラルクは再度、スナァと灰になる。
そして、ソレが口を開いた。
あれ、と。
「ロナルドさん、帰ってきてたんですね? おかえりさない」
で、なんで掃除機を解体してるんですか……、と少々引き気味のソレは、包丁こそ持っているが、黒髪に少し焼けた肌、と健康的な人間の女性である。
いや、とロナルドは苦笑いを浮かべる。
「これが一応、同居してるヤツなんだわ」
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作成日時:2022年3月3日 12時