無垢な騎士と愚かな姫【月永レオ】

▽29 ページ32

.





『はぁ…三毛縞〜！』




日に日に、三毛縞への恨みが募ってゆく。

レオを連れていきやがって！



仕方ないんだけどさ。





斑「なんだなんだ、呼んだか！？」


『呼んでない。うるさい。帰って』


斑「すっかり嫌われてるなぁ」


『…………』


斑「レオさんに聞いたんだな」


『…うん』


斑「レオさん、けっこう悩んでたんだぞ？君達と離ればなれになるのは嫌だってな」


『…………』


斑「よし！今日は、ママが奢ってやるぞ！ご飯を食べに行こう！」


『いらない！帰って！』





この男が来ると、騒がしすぎる。





泉「うるさいんだけどぉ」


『私は、うるさくないし』


泉「はぁ…そんなに落ち込むくらいなら止めれば良かったのに。そしたら王様も考え直したかもよ？」


『…それじゃダメなの』


泉「は？」


『私がワガママを言って、レオの夢を潰したくない』





止めたら、きっと困らせる。

レオの夢に私は邪魔だから。





『それに、レオの歌の一番のファンは私だもん！応援しなくちゃダメだよ』


泉「アンタは本当にそれで良いわけ？」


『良くないよ。でも、レオの夢が叶うなら、私は、我慢する』





もう、会えないってわけじゃないし！

絶対、また会えるから。





泉「ほんと、不器用だよねぇ」


『なにが？』


泉「別にぃ？」





レオがいない間は、私がKnightsを守るから。

立派なプロデューサーになってみせるから。




.

▽30→←▽28

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す