駆紋家の妹ちゃん。 【仮面ライダー鎧武】【駆紋戒斗】

意識しちゃった。 ページ36

戒斗「そう言えば、ザックには色々世話になったからな。何かお礼でもしようか」

ある日、戒斗が徐ろに口を開いた。

確かに、ここ最近は何かとザックに助けて貰ったりした。

ここまでしてくれたのだから、お礼しなければならないだろう。

『具体的に、何するの？』

戒斗「そうだな………お前、弁当でも作ってやれ」

『それいつもの差し入れと変わんないよ』

戒斗「いきなり気を遣われても困るだけだろう」

戒斗の指摘に、最もだと頷く。

いつもはサンドイッチ等の軽食ばかりだったから、偶にはザックの為に手料理だけで出来た弁当でも作ってあげるか。

そう決めて、チームバロンの練習がある日に、Aは１人分の弁当を作った。

おにぎりを握って、得意のポテトサラダも入れた。

慣れない揚げ物にも挑戦したし、彩りや栄養何かも考えた。

いつもよりちょっぴり特別な弁当を詰めた弁当箱を、お気に入りの三角巾で纏める。

Aはそれを持って、チームバロンの基地へと向かった。

Aが基地に着いたのは、大体昼前頃だった。

丁度良い頃合いだろう。

Aはドアをノックして部屋に入る。

『お邪魔しま〜す』

ペコ「あ、Aちゃん久し振り！！！」

戒斗「待ってたぞ」

久し振りだったので、何て言われるかとちょっとだけ心配していたが、それは杞憂に終わった。

Aはザックの前へと歩み寄る。

パッと目が合って、この前戒斗と話した事を思い出した。

その所為で体温が上がる。

Aは弁当をザックに突き出した。

『ざ、ザックこれ！！私が、ザックの為に作ったの…………！！！！』

一瞬だけでも意識してしまえば、もう中々目を合わせる事すら出来無かった。

でもザックは気にせず笑う。

ザック「えっ、まじか！！開けても良いか？」

Aは声を出さず、こくん、と頷く。

ザック「何だこれ美味そ〜！！」

ザックは弁当を見て目をきらきらさせた。

その中から卵焼きを１つ頬張ると言う。

ザック「美味ぁ！これAの手料理史上最高かも知んねぇ。また作ってくれるか？」

『うん、勿論…………！！』

ザックが笑い掛けて来る物だから、Aも慌てて笑い返した。

彼の笑顔に、何だか胸がきゅんとした。

恋人からなら。→←カッコ良かったあの人。

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