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9,働き者ね ページ9

『ムムムム、、、』

阿「、、A??」

悶々とするAに苦笑いの阿多。

当の本人はそんな声などまるで聞こえていないようである。

現在、Aは混乱している。








Aは皇女として知っておくべき世の知識を勉学と共に学んだ。

数え年で8歳という幼い年齢ながら、見合いだの婚約だの、そういった類の基本的な知識は持っている。

それを踏まえた上での、彼女の考察はこうだ。

高順は現在自分よりも3つ上だから11歳、満年齢は9歳。

高順の家は代々皇族に仕えており、身分的に高い為、それなりに早く妻子を設けたいだろう。

少なくとも、10代のうちに妻は居るはずだ。

となると、お見合いは早くて12歳、、、、来年である。

そしてお見合い前には作法などを教わるのが一般的である。

11歳ならば、今はそういうのを教わることに忙しくしているべき、、、なのでは???

実際、高順のような年の者が皇女に仕えていること自体異例だ。

いくら仕事のできる奴とはいえ、仕事ばかり優先させる訳にはいかないことくらい、周りは充分わかっているはずだ。

でも、確か高順本人は、、、、














『じゃ、行ってくるね。』

高「行ってらっしゃいませ。くれぐれも、お付きの方を振り回さないように。日が暮れる前には帰ってきて下さい。寄り道は厳禁ですよ。」

『わかってるよ、、、、高順は?今日は何処かに行くの?』

高「いえ。特に予定はありません。なので、宮殿の掃除でもしようかと。」

『へ〜。働き者ね。』













如何にも暇な働き者じゃないか!!!

『ねぇ阿多、残念だけれど、高順はお見合いなんて興味無さそうよ!』

阿「“残念”って言う割には、、、何だか嬉しそうね、、、」

『だって高順は私の付き人よ?侍女はもちろんいるけれど、私は高順以外に専属の付き人は今までいた事が無いし。今後雇うつもりも無いわ。』

阿「それって、一生彼を付き人でいさせるってこと?」

『そう!だって、彼ほど優秀な付き人はいないし、、、何より、彼ほど私の趣味に付き合ってくれる人はいないもの。』

何か引っかかる阿多だが、反論するのも面倒になり、「そうね。」と受け流す。

阿「、、、でもA、女性の主に男性の付き人が付くなんて無理なんじゃない?」

『え゙っっ』

阿「ほら、、、女の子に男の子が付くなら別として、、、大人になったら、色々と複雑になってくるから。」

















がーん

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作者名:かんちゃん | 作成日時:2024年3月4日 0時

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