途切れた記憶 ページ4
もう少しだけ話したかった。
傍にいたかった。
あと1分でよかった。
あと1分、1秒、叶が目を覚ませば、
すかさずこういうつもりだった。
「また来世で」
って。
額に汗をかいた。
あまり暑くないはずなのに。
冷や汗なのだろうか。
外は意外と肌寒かった。
半袖で来たことを後悔した。
まぁ九月だから、難しいところか。
雑多なビルの合間を縫って歩く。
病院への道、覚えちゃったな。
この白い病棟で、叶は逝った。
「…叶に、お別れ、しに来ました」
そう零すと、看護師の人は少し悲しい目をした。
俺がいつも来ているのを知っていたからだろう。
病室は、もぬけの殻で、
叶の命が丸ごと抜けてしまったみたいだった。
線のいっぱいついた機械やも、
俺のためにあったパイプ椅子も、
もう全てがなくなっていた。
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(〃ω〃) - 泣かせんといて……涙がボロボロ出てきてな、くろのわはやっぱり不滅やと思ったんよ、叶たんは記憶取り戻したんかなぁ、戻ったらゲマズで集まってほしいなぁ、まぁこの話は完結しちゃったねんけどな (2022年10月5日 14時) (レス) @page13 id: 8f8400f448 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かりんとう | 作成日時:2022年3月5日 16時