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「……えっ!?おめでとう!」
そこには彼の所属するバンド名と"major debut"の文字が。
「ありがとう」
彼に駆け寄って抱きついた。
サプライズを仕掛けた本人が、何故か照れ臭そう。
「Aのおかげだよー。ホントありがとう」
「私は何もしてないよ」
「言うと思ったよ」
ちょっと呆れたように言い放って、笑っていた。
「あ、スプーン取ってきてもらっていい?」
「うん」
嬉しさのあまり、プリンだけを持って彼の元に来てしまったから、冷え込む台所にもう一度行かなければならない。
「……ん?」
スプーンを入れている引き出しを開けると、
謎の封筒がおいてあった。
「どーしたのー?早く食べようよーッ」
「健、これ何?」
スプーン2つとその封筒を持って、リビング彼の元へ行くと、
「え、健??」
忽然と姿を消していた。
分かった。
これは、健からの挑戦状。突然始まった遊びだろう。
早速封筒を開くと、
"Aがリュック置いてるところ"と書かれていた。
「わ。カワイイ」
その棚を見ると、小ぶりのアレンジメントが。
可愛らしいピンクのお花たちが詰まってる。
でも、名前は分からない。
健に教えてもらおう……じゃなくて。
健はどこ?
リュックの外ポケットにささっている封筒を手に取り、中身を確認する。
"うちの子たちがいる所に来て"
健の言う"うちの子"は、彼が大切に育てているサボテンたちのことだ。
「ということは、健の家のベランダ」
移動が多いなぁ、と思いつつ、
鍵とスマホだけを持って玄関を出る。
ちゃんちゃんこは脱ぐかどうか悩んだけど、そのまま着ている。
徒歩わずか2歩で彼の家へ着く。
「おじゃましまーす」
声をかけたけど、反応はない。
しかも真っ暗な部屋。
電気をつけながら、恐る恐るベランダへと足を運んだ。
カーテンを開くと、窓の鍵のところに封筒が挟まっている。
「"後ろ見て"……?」
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ヨ-リン(プロフ) - 西鶴さん» 西鶴さん、いつもありがとうございます。同じくです。ずっと音楽や映像を見て浸っています。 (2022年3月17日 23時) (レス) id: 3d151d95ac (このIDを非表示/違反報告)
西鶴(プロフ) - (元 藍琉)私も未だに未練タラタラでYou○ube ○usicで音楽聴いて、You○ubeで動画見て、CDを流しての繰り返しです。 (2022年3月12日 14時) (レス) @page18 id: 6dde35b37e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヨーリン | 作成日時:2022年2月22日 23時