３ 死人 ページ3
数日後、イルミはカルトを連れて仕事から帰ってくると母親のキキョウに報告した。
「今回の仕事、遠くてホント大変だったよ･･･母さん、キルは？」
「キルは･･･Aと組手の練習をしているわ。あの子も熱心よねぇ･･･」
「Aかぁ」
イルミはキキョウの口から出たAの名前に感心する。３年ほど前にゾルディック家のメイドとして来たAはイルミが最も溺愛するキルアの扱いがうまく、両親から厚く信頼されていた。
彼女自身強い上に頭も非常に良く、イルミ自身も彼女を気に入っていた。
しかし懸念もあるのであった。あと数年で思春期に入り始める弟にあのメイドは必要なのかと。
ーーキルがその歳になるまでに、どうにかするしかないか
そんなことを考えながら顎に手を添え、歩いていると稽古場から組手の音が聞こえてくる。
「坊っちゃま、反応が遅いですよ」
「わかってるよ！クソッ」
ほとんどキルアはやられっぱなしだが、臆することなくAに向かう。Aはワザと隙だらけの構えをすると、隙を狙うキルアの足を掴んだ。
「だーかーらー、ここはダメですって。敵の思うツボです。次はもう少し工夫して攻撃してください」
「うっぜー！」
「坊っちゃま、言葉遣い！」
キルアとAが仲良く組手をやっている姿を見ると、どうやらAはキルアの成長に一役買っているようである。これもキルアの為かとイルミは軽くため息を着くと、自室へと引き返した。
「ッはぁ･･･お前、なんでメイドやってんの？」
キルアは額の汗を拭うとAを見上げる。Aはニヤニヤと笑うと「私に興味あるんですか？」と言って
「そんなこと言う子は･･･チョコロボくん無しですよ？」
「！！！」
Aの背中に届きそうになった回し蹴りが背中につく直前で止まる。Aはチラリと後ろのキルアを振り返ると、キルアの耳を掴んだ。
「いっ！！痛い痛い！！ギブ！」
「私は坊っちゃまと４歳しか変わりません。それでババアならツボネさんはどうなるんです？」
「･･･ツボネだと、大ババア･･･ってか、もう死人だな」
足を下ろし、顎に手を添え考え込むキルアの背後に大きな人影が落ちる。
「･･･死人ですか」
「ゲッッ･･･ツボネ！！」
キルアは一目散に稽古場を去った。
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chain.(プロフ) - 七面鳥ぱんさん» 七面鳥ぱんさん！好きと言って頂いてありがとうございます😭✨全然更新できてなくてすみません💦 (2022年6月27日 20時) (
レス) id: 8c2c14010e (このIDを非表示/違反報告)
七面鳥ぱん(プロフ) - めちゃ好きです (2022年6月19日 2時) (レス) @page10 id: 54cc13708a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：chain. | 作成日時：2022年5月7日 18時
