キズナ【イナズマイレブン】 (ページ2)

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トモダチ02 ページ2

「ね、ねえ、ほんとに入るの…？」

「当たり前でしょ。せっかくここまで並んだんだから」

遊園地に入場して早くも3時間が経過した。Aたちお日さま園中学2年生御一行様は既にほとんどのアトラクションを体験し、残るは今並んでいるものだけだ。

列の最後尾にスタッフのお姉さんが「待ち時間約20分」と書かれたボードを持って立っている。さすがは人気のアトラクションだ。そのアトラクションの建物はおどろおどろしい雰囲気で、壁には赤く、ダイイングメッセージのような字体で“魔女の館”と書かれていた。“魔女の館”ーーそれは(A)からも察することができるだろうが、俗に言う“お化け屋敷”だ。

もう並び始めて15分近く経過しており、自分たちの前にはタツヤたちを含めて5組ほどになっている。Aたちはそれぞれ2人ずつペアになっており、前から順にタツヤと玲名、晴矢と風介、Aとリュウジだ。

Aもリュウジもお化け屋敷は初めてで、建物から悲鳴が聞こえるたびに不安が増していく。

「……大丈夫かな」

「大丈夫、大丈夫！だって、さっきタツヤが『人間が驚かしているだけだ。あの中には人間しかいない』って言ってたもん」

「そうだけどさぁ…」

リュウジは不安げに俯く。と、なにか紙が落ちているのを見つけ、拾った。それを目の端で捉えたAは「どうしたの？」とリュウジの後ろから紙を覗き込む。

「これ……スタッフの人が落としたのかな？」

「『アトラクション使用物リスト』……？」

「うん…えっ！」

パラパラとページをめくっていたリュウジの手が、とある項で止まる。言わずもがな、魔女の館のページだ。その項を凝視したままサーっと青ざめるリュウジに不安を抱き、横からリストを覗き見る。

「A……こ、これ…」

「なになに……？………生首って…」

「や、やっぱりやめようよ……レベルが高い」

「やだ」と、懇願するように言ったリュウジを一刀両断し、紙束を取り上げてスタッフに手渡す。

「すみません、これ、落ちてました」

「あっ！ああっ！ありがとう！」

なぜか2段階で驚いたスタッフは大切そうに丸め、ズボンの後ろポケットに突っ込んだ。「いや大切ならそんなとこに入れないどいてよ…」と思わず呟いたのは許してほしい。