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豆原くんが企画部に入って1週間が経った頃。
課長を中心に騒がしくなっていたが、私にはそんなことを気にしている余裕はなかった。
新商品のリップの企画書が完成間近だった。
「できたー！」
ずっと続いていた苦労から解放されたような気持ちになり、大きな独り言が出てしまった。
「何ができたの？」
佐藤さんはニヤニヤと笑いながら楽しそうに声をかけてきた。
私は心で思っていたことを声に出してしまった、ということに気づき、両手で口を覆った。
「リップの企画書ができたんです！
あ、佐藤さんにはまだ見せられませんけど。」
私はパソコンの画面を上半身で覆い隠す。
佐藤さんはちょっかいばかりかけてくるけど、人の企画書をパクるようなことは絶対にしない。
そんなことはよく分かっている。
だけど、念の為に企画書の内容を知られないようにしないと。
「え、待って待って。
水瀬さんは俺が人の企画書をパクる人だと思ってるの？
俺は天才だからそんなことする必要ないんだよ！」
ドヤ顔の佐藤さんを見て、クスッと笑ってしまう。
相変わらずのビックマウスだな。
その自信はどこから湧いてくるのか、不思議で仕方なかった。
「あ、そうだよ。
俺、水瀬さんに用があって話しかけたんだよ。
今週の金曜日に豆原くんの歓迎会をやるみたいでさ
水瀬さんも来るよね？」
佐藤さんの誘いの言葉を聞いて少し考えた。
歓迎会、ということは実質飲み会か。
飲み会に参加する時は奨くんの許可がないと無理だな。
「ちょっと旦那に聞いてみてもいいですか？
明日、必ず返事しますから！」
私がこう言うと、佐藤さんは眉間にシワを寄せて頭を掻きむしった。
「水瀬さんって毎回こうだよね。
旦那さんの許可がないとダメみたいな。
こんなこと、あんまり言うべきじゃないのは分かってるけどさ、旦那さん厳しすぎない？」
佐藤さんは少し呆れたように言った。
私としては「心配してくれている」と思っていたが、他人からすると異常だったりするのかな、なんて考えていた。
「何？どうしたの？
飲み会のこと？」
私たちの会話に割って入ったのは川尻さん。
「水瀬さん、歓迎会のことは俺から旦那さんに上手く話しておくから大丈夫だよ。
あと、佐藤くん。
人の旦那さんを悪く言わないよ、分かった？」
佐藤さんの肩を2回軽く叩いてから課長の元へと向かう川尻さん。
課長と話す川尻さんの後ろ姿を見て
私が会社の人とも上手くやれているのは川尻さんのおかげかもな、と心の中で感謝していた。
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プルメリア(プロフ) - ささん» 2作とも読んで頂きありがとうございます！ 嬉しいです！ こちらの作品優先にはなりますが、どちらも更新お待ちいただければ幸いです！ (11月7日 20時) (
レス) id: f9f8715533 (このIDを非表示/違反報告)
さ(プロフ) - 二つの作品一気に見ました☺️どちらもとても面白くてこれからも楽しみにしてます🎶 (11月7日 17時) (レス) @page19 id: 3db943dc83 (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア(プロフ) - 3yjxQciJV7r5zPBさん» コメントありがとうございます！ そう言っていただけて大変嬉しいです！ 続きをお待ち頂ければ幸いです！ (11月5日 23時) (レス) id: f9f8715533 (このIDを非表示/違反報告)
3yjxQciJV7r5zPB(プロフ) - すごく面白いです！続きが気になります！ (11月5日 23時) (レス) id: de847680fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：プルメリア | 作成日時：2023年11月1日 11時
