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No.14 ページ14

北山side


 



健永の部屋のドアをバタリと閉め、少し歩くと心苦しさに勝てなくて壁に寄っ掛かる。

静かな廊下には人影すら見えず俺しかいなかった。





北「あいつがすべて知ったら…せっかくまた会えたのに…」





ズルズルと壁を背中が滑り、足を腕で抱え顔をふせた。

不思議と溢れ出てくる涙は、年々涙腺が弱くなっている証拠だ。





藤ヶ 谷太 輔…10年前、彼になにも言わず姿を消した俺。

それから、たくさん嫌なことがあったけど、絶望しかない毎日を、いつも通り過ごしていたある日のことだった。




秘書として仕事を初めてから事務所の資料をよく目にしていた。ペラペラと重ねられた資料に目を通していた時、偶然見つけたんだ。




昔より少し大人びてかっこよくなってて、だけど面影が残る太輔の事を。





最初見たとき、まさか。とは思った。


だけど彼の 履歴書や出ている番組を見ているうちに本人だと確信がついていた。






『何をしてるんだ?そんな熱心と、お前が他の男に夢中になるなんてな。仕方のないやつだなまったく』




北『いや…その』




そんなことを繰り返しているうちに、嫉妬に狂った副社長は見逃してはくれなくて、事務室と繋がる彼用の仮眠室に数日間監 禁され抱かれ続けた。


だけど、太輔の事は何がなんでも口をわらないでいた。



この男は専属秘書という名目で俺を片時も離す事はなく、俺のために妻と子供 ――つまりは家庭を捨てた。





『やっと手にできたんだ、宏光。いや、光陽』





なんて不気味に笑うあいつが、もし太輔のことを知れば何をしでかすか分からない。


しかも、勤める事務所のアイドルだなんてなおさらだ。





北「太輔…」





副社長だけじゃない。

今までたくさんの人に抱かれてきた。




太輔と笑いあってたあの時の自分はもういなくて、汚い自分に絶望しかない。





あのとき、俺の親がΧΧなんてしなければ…。





だけど、あの時、健永が好奇心で太輔を呼んでいたのを良いことに自分も会いに行った。




目の前で彼が倒れたときは、本当に驚いて溢れ出てきそうな涙を我慢した。

でも起きた彼の顔を久々に見たら何故だか安心したんだ。
また一緒にいたい、そう思ってしまうほどに。





北「ふぇっ…うぅ…」






廊下に響く自分の泣き声が、むなしさを増させるだけだった。






「何してんねん」






腕に顔を埋め、泣いていたから自分の前に誰かが来たのかなんて気づかなかった。

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藤北ラブ(プロフ) - 続きが見たいです!更新お願いします! (2019年9月28日 11時) (レス) id: bc8d395f08 (このIDを非表示/違反報告)
藤北のチェリー(プロフ) - まほままさん» こんばんわ!みつの詳細がだんだん明らかになりつつありますよ。副社長の重い愛に何年も耐えつづけているみつ。大倉くんとジャニーさんは味方です。あるいみジャニーさんにも好かれてますみつさん爆笑 (2017年6月15日 22時) (レス) id: 219a4e96b6 (このIDを非表示/違反報告)
まほまま(プロフ) - こんばんは。なんだかみっくんの背景が垣間見えてきてなんとも言えない気持ちになってきましたぁ( ; ; )そんなに副社長に縛られてるんですね…。自由がないんだ。大倉くんが助けの手を差し伸べてくれなかったらきっと壊れちゃってましたよね…( ; ; ) (2017年6月14日 22時) (レス) id: de2262a235 (このIDを非表示/違反報告)
藤北のチェリー(プロフ) - まほままさん» こんばんわ(^_^)みつが何者なのか、副社長との関係はそろそろ分かると思います。玉ちゃんの気持ちはあの鼻王子にちゃんとあるので大丈夫です。全然話が進まなくてすみません。きゃーそのお言葉嬉しいです!つたない文章ですが、よろしくお願いいたします! (2017年6月11日 2時) (レス) id: 219a4e96b6 (このIDを非表示/違反報告)
まほまま(プロフ) - ほんとみつは一体何者なのか、本当に副社長との関係はあるのか?玉ちゃんの気持ちは今どこにあるのか…迷路からまだ抜け出せない私です。なので続きがかなり気になっちゃいますよー!楽しみに待っていますから(●*>∀<艸)! (2017年6月9日 0時) (レス) id: de2262a235 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:藤北のチェリー | 作成日時:2017年5月21日 15時

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